バイオでメシ、喰ってやる!

エンジニアのためのキャリアブログ

【理系の進路】バイオ系に進む?バイオ系が就職でぶち当たる問題とは

calendar

reload

【理系の進路】バイオ系に進む?バイオ系が就職でぶち当たる問題とは

※アイキャッチ画像はfreepikの該当ページより入手しました。

理系の進路選択

高校時代の文理選択は、人生の大きなターニングポイントのひとつです。

もし、あの時、文系を選択していたならば…今とは全く違った人生を送っていたでしょう。たられば。

今回ぼくがこの記事を書いた狙いは、所謂バイオ系に進み、大人になった今、気が付いた当時思いもしなかった問題について、読者の方とシェアしたいと思ったからです。

自分の進路選択を間違えたとか、そういう話ではありません。また、夢がある高校生の未来を変えてやろうという狙いもないことを予め断っておきます。

 

理系の進路のひとつの選択肢として、今回は【バイオ】という分野を紹介します。

バイオと言えばかっこよく聞こえはしますが、その実情はどうなのでしょうか。

拡大するバイオという分野。バイオ専攻の元大学院生であるぼくが就職するにあたって苦悩したことを紹介します。

 

バイオとは?

バイオは、biologyの略語です。広義には生物学を意味します。そこから派生したより専門的な分野、学問領域は多岐に渡りますが、それらを全て含め、このブログ、この記事ではバイオと呼びます。

具体的には、農学、園芸学、果樹学、細胞生物学、分子生物学、遺伝学、生物化学、微生物学、食品科学…が思いつきます。いずれも世間一般的にバイオ分野に含まれる学問です。また、これらはバイオテクノロジーとも呼ばれます。人によっては、薬学や生物化学工学などの分野も含めて考えるかもしれませんが…薬学や生物化学工学は少し系統が違うとぼくは考えています。

農産物や、食品、細胞などを取り扱うため、理系の女子学生にも人気の分野です。薬学と同様に、バイオ系の学部・専攻は女子学生比率は総じて高めです。

 

バイオ系の就職先は?

気になる就職先についてお伝えします。

バイオ系の学生の多くは、以下のメーカーの技術職を目指して就職活動を行います(経験談)。

  1. ビールなどの酒類メーカー
  2. 調味料・菓子・乳製品・飲料・加工品などの各食品メーカー
  3. 医薬品メーカー
  4. バイオ関連の事業を有する化学メーカー

バイオ系のイメージ通りの就職先を選びます。

酒類は微生物による発酵で作られますからバイオ系のお家芸のようなもの。

食品は生命に関わることですから、バイオ系のあらゆる学問分野から人気があります。

医薬品も同じで、生命に関わることですから人気があります。

化学メーカーも今では兼業化が進み、バイオ分野の事業を有するメーカーも増えています。

 

実は…これがバイオ系の問題点

いきなりですが、本質に迫っていきます。

 

その1:就職先(採用数ベース)が少ない

就職の話をしましたが、実はバイオ系の問題がここにあります。

バイオ系の選考を生かせる就職先って多いように見えて意外と少ないのです。もともとが狭き門だったんです。研究職は人気ですが、大手企業でもバイオ系の研究職は数人~多くて数十名です。この席を全国の大学・大学院生で争うことになります。もともとバイオ系は専攻の線引きが曖昧なので、少ない席に一斉に応募が集中します。

確かに、酒類も食品も医薬品もバイオ系の大学や専門学校で学んだことが生かせる分野です。

学生時代に一生懸命勉強したことを社会人になって生かして働きたい、と考えることは自然です。そのため、ほとんどのバイオ系学生は食品メーカー(酒類も含む)や製薬メーカーを目指します。実は、これらのメーカーを目指すのは、バイオ系の専攻者だけではありません。より深い薬学的な知識を有する薬学、医学専攻の学生や、事象の数的・物理的な解釈を得意とする工学専攻の学生、また深い専門知識を有する理学専攻の学生も交えた戦いとなります。バイオ系には、これらに勝る目立った強みは少なく、他の専攻の学生に圧倒されることもあります。

ここで技術職ではなくあえて営業職を志望したならば、今度は文系・理系問わず全分野の学生との椅子の取り合いになります。ぼくの経験から、たいていの学生は食品や医薬品を狙いながら、現実を知って視野を広げていき、最終的には化学メーカーやその他のメーカーへと選択肢を広げていきます。

化学メーカーも農薬、化粧品などバイオ系に関する事業を持ちますから人気です。こちらも狭き門です。もともと化学メーカーはプラスチックなどの樹脂、ゴム、繊維、化粧品など素材を中心とした化学製品がメインの事業ですから、バイオ系が活躍できるフィールドはあっても椅子の数が少なかったりします。

 

その2:バイオ系学部を設置する大学と学生の数が多い(飽和状態)

バイオ系の定番といえば、農学部や理学部の生物学科ですが、今ではこれらの学部が名前や姿、形を変え、全国に多くのバイオ系学部が乱立しています。

それだけでなく、工学部の応用化学系にも生物化学分野というバイオ系と工学系の間の学問分野もありますから、大学によっては工学系でありながらバリバリのバイオ系というところもあります。これらのバイオ系学生の数を足し合わせると結構な数字になります。

その1とも深く関連しますが、そもそもバイオ系学部を設置する大学の数が多すぎると思います。沢山のバイオ系分野を学んだ学生が社会に輩出されています。大半の学生が、まずは学生時代の専攻を生かそうとしますから、その1のような食品や医薬品メーカーを目指すことになり、就職活動が激化すると思っています。

 

その3:実学であるが、理数系や電気系の素養が身に付きづらい

バイオ系の多くは理論より実用に重きを置いた実学です。ここにも問題があります。

一般的なバイオ系の学生の特徴として、理論の分野が弱いことが多いです。理数系や電気系の科目は教養では学びますが、専門科目には含まれません。

ぼくもバイオ系出身ですが、教養では物理学や数学などありましたが、専門科目では有機化学がベースとなって他は微生物学や食品科学などを学んでいました。企業で技術者として働くうえでは、数学的な処理に弱いのは致命的です。

企業から見たバイオ系学生のイメージは「理数系の素養に乏しい」ということになってしまいます。もちろん個人差はありますし、気にしない企業も多く存在します。

冒頭、電気系とも書きましたが、前述の食品メーカーも医薬品メーカーも、どちらも製造業(メーカー)です。

モノをつくるということは機械や設備を動かしますから、それらの設備導入やメンテナンス・保全において機械・電気系の出身者は非常に重宝されます。ただでさえポストが限られた食品メーカーと医薬品メーカーの技術系職種なのに、機械・電気系の素養がないバイオ系が就ける職種はさらに絞られるということです。

 

その4:バイオ産業自体が少ない

バイオ系の産業って実はお金になりにくい性質があります。

仮に企業が投資をしたとしても、その後ペイできるかどうかは不透明で、リスクが潜んでいます。手堅く稼ぎたい企業には参入障壁が非常に高いと思います。

一方、食品メーカーは手堅いかもしれません。古くから日本では発酵を得意としています。それらの企業には老舗も多く、今もバイオ技術が使われています。

面白いところで、微生物や細胞を使って、人の役に立つモノを作ろうと考える産業があります。

今は製造業全体からしたら、ごくごくわずかです。

私が高校生の頃、21世紀はバイオテクノロジーの時代だ、と言われていました。

微生物や細胞を使ったバイオテクノロジーを応用した製品が世の中に出ているのは確かですが、まだまだ少ないのが実態です。

また、バイオは装置産業と言われ、その設備の導入や運営に係る費用や原材料費にお金がかかるうえ、微生物や細胞を扱うとその面倒を見ることが必要で、そのため製造にかかる時間も長く(長時間労働の温床となり人件費がかさむ)、さらには細胞や微生物を相手にしているため人間が操作しても予想できないことが起こりやすい…というリスクも孕んでいます。

バイオ系の産業は、高度な専門的な技術ノウハウもある程度必要で、企業もヒト・モノ・カネをうまく回して経営をしていかなければ簡単に赤字を生むため、参入しづらい分野と考えられます。

 

かつて、このブログでも紹介したスパイバー(Spiber)のようなベンチャー企業がまさにバイオテクノロジーを応用した製品を作るメーカーの一つです。ぼくが注目している会社の一つです。

【技術者必見】面白い会社を紹介します vol.1(人工合成クモの糸を開発!Spiber)

 

明るく考える

暗い話ばかりでしたが、もちろんバイオ系に進んで希望通りの進路に進んだ人もいます。

しかし、その裏では希望通りの進路に進めず、それでも諦めきれず派遣という道を選んだ人や、博士課程に進学した人、SE(システムエンジニア)のような別の分野に進んだ人も多くいます。

バイオ系で、就活において大手病にかかると悲惨なことになるかもしれません。注意が必要です。

ぼくは、就職は正直どうでもいいと思います。それはその人の人生の通過点です。後の人生で、いくらでも修正することができます。負け犬の遠吠えかもしれませんがね。

ぼくは、バイオ系でありながら、もともとはバイオとは程遠い分野で開発職として社会人人生をスタートさせました。周り回って今ではバイオに関連する職種で研究開発職として働いています。

人生は一度きり、やりたいことをやりましょう。

自分が興味を持ったことを信じて、真剣に取り組めば自ずと道は拓けると思います。もしもそこに道がなくても、自分から切り拓けばいいのです。

 

工学系の魅力

実を言うと、工学部に進んでおけばよかった…とぼくも後悔したことがありました。

工学部では教授推薦などで大手メーカーの研究職や技術職に就職できる人が多くいます。バイオ系では、まず工学部のような推薦は聞きません。

基本的には自由応募で就職活動に挑むことになります。同じくらいの難易度の大学入試を受けて進学したのに、大学で学ぶ専攻によってまさか就職で差が出るなんて…と思ったこともありました。

工学系の世の中のニーズは高いです。潰しがきくのが工学部かもしれません。

就職活動では、専攻も大事ですが、それよりもコミュニケーション能力であったり、人間性も大切な要素です。全体のバランスがとにかく大切で、あとは恋愛と同じでその企業とマッチするか、しないかです。

 

新サービスの告知

現在、就活生(転職希望者も可)を主な対象に、エントリーシート・履歴書の添削サービスを開始しました。

興味がある方は、以下のサイトへアクセスし、ぼくのサービスをご利用ください。

ありがたいことに、ご好評いただいております。

単なる添削だけでなく、学生では気づきにくい社会人の視点を含め、その依頼者がこれから始まる就活で長期的に成長していけるようなサポートを心がけています。

この記事をシェアする

コメント

  • 参考になりました、ありがとうございいました。

    by 孫 啓翔 2017-02-15 7:17 PM

    • 管理人です。

      コメントありがとうございました。

      by GON 2017-02-17 8:22 PM

down コメントを残す




folder 自己紹介

はじめまして、皆様。
more...