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今をときめくバイオベンチャーで働いてみたら、こういうところだった

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今をときめくバイオベンチャーで働いてみたら、こういうところだった

GONです。

ぼくは約3年弱、バイオベンチャーに在籍しておりました。

第二新卒でベンチャー企業の門を叩きました。もともと東証一部の大手メーカーで技術系として勤務しており、仕事内容(やりがい)を除いては、会社としては安定しており、待遇には大きな不満もありませんでした。賞与も一年目から受け取っていました。

その環境を捨て、バイオベンチャーに飛び込むには少し勇気が必要でしたが、一番は今後のキャリアを考えて「やりたい仕事がしたかった」ことが大きかったです。また、当時、お世話になっていた転職エージェントのアドバイザーも肩をそっと押してくれたこともあって入社を決意しました。

その決断が、ある意味では悲劇の始まり(とにかく休みがない。仕事ばかりの日々。)となりましたが、そのおかげで、その次の転職では多くの企業がベンチャーの経験を高く評価してくれました。

この時の転職活動では経験がマッチした職種については書類選考は全て通過しました。ヘッドハンティングのような面接も初めて経験し、まるでドラマの主人公のような感覚も味わいました。

1. キャリアの選択肢としてのバイオベンチャー

バイオベンチャーに興味がある方って意外と多いのではないでしょうか。下記記事のバイオ系の問題でも取り上げたようにそもそもライフサイエンスを専攻した方が、ライフサイエンスでメシを喰うこと自体が難しいことに感じます。

関連:今をときめくバイオベンチャーで働いてみたら、こういうところだった

ライフサイエンス関連の事業は医薬や食品が中心ですが、結構狭き門です。それは企業自体が少ないことに起因します。一方で、ライフサイエンス関連、特に医薬業界においてはバイオ医薬や再生医療など、バイオベンチャーが多く登場しています。そのような背景からも、バイオベンチャーに興味を持つ方は増えているのではないかと想像しています。

そのような方を中心に、ぼくが実際にバイオベンチャーに勤めてみて感じたことを記事にしました。バイオベンチャーは企業選びが重要です。それについては、また後日別の記事でご紹介したいと思います。

 

2. バイオベンチャーとは

「ベンチャー」と聞いたら、どんなイメージを持ちますか?より身近なところでは、スマホアプリ開発のように新サ―ビスを世界に発信するITベンチャーがありますよね。

それでは、今回のテーマである「バイオベンチャー」って一体どんな会社なのでしょうか。

まずは、定義です。

バイオベンチャーは、バイオテクノロジー(遺伝子工学、分子生物学、生物化学など)を手段として食品や化粧品などの化学品、バイオ医薬品・再生医療製品などの高付加価値品の研究・開発・生産・販売をするところや、またはバイオテクノロジーを対象に研究開発、コンサルティング等のサービスを提供する新興企業のことを指します。

 

3. バイオベンチャーの数

それでは、日本にバイオベンチャーと呼ばれる企業はどれくらいあるのでしょうか。

古いデータで恐縮なのですが、2014年1月における調査においては591社もあったそうです。

2011年から増加傾向にあるとのことですから、今はもっと数が増えてるのではないかと予想します。

(出典:2014年度バイオベンチャー統計・動向調査報告書)。

特に、2016年以降では再生医療関連のベンチャーが非常に多く誕生しています。

日本におけるバイオベンチャーの設立ブームはここ20年くらいの話のようですが、海を越えたアメリカではそれ以前から多くのバイオベンチャーが設立されました。そのなかでも、今では世界的なバイオテクノロジー企業となったAMGEN(エリスロポエチン、G-CSFのタンパク質医薬品の開発)GENENTECH(中外製薬・ロシュと同じグループで、インスリンや成長ホルモンのタンパク質医薬品や抗体医薬品の開発)の大成功事例は、今のバイオベンチャーがひょっとすると将来、大化けするかもしれないという期待を与えるものとなりました

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genentech

業界関係者では知らない人はいない2社。

4. バイオベンチャーのビジネスモデル

バイオベンチャーと言っても、そのビジネスモデルは多様です

  1. 大手企業など他の企業と提携することでマイルストーンの受領を主な収益源とするところ
  2. このブログでも紹介したSpibereugulenaのようにメーカーとして製造・販売まで行うところ
  3. 研究開発支援など形には表れないサービスを提供することで対価を受け取るところ

多くのバイオベンチャーは上記のいずれかに該当します。

5. バイオベンチャーで働いてみたら

現在は、所謂ベンチャー企業ではなく普通の会社で働いていますが、いざバイオベンチャーから一歩外に出てみると、いかにバイオベンチャーが変わった職場であったかをよく理解できます。

バイオベンチャーと一口に言っても、色々な会社がありますが、ここでお伝えするバイオベンチャーはある程度共通したものだと思っています。

 

① 教育に時間を費やせない

費やさない、のではなく、費やせないのです。

バイオベンチャーではOJT(オンザジョブトレーニング)が基本です。

社員の成長を考えれば、教育というものは重要です。

大手の場合、中途入社であっても研修等が手厚く、OJT以外にも教育を受ける機会は多いですが、バイオベンチャーの場合はOJTが基本です。

この理由は、簡単に言ってしまえば「そんな余裕はない」。多くのバイオベンチャーがそうだと思いますが、社員が十分にいません。つまり、リソース不足なのです。人を雇うことで固定費が増加します。これは企業にとっては大きなコストになります。

特に、売上が低く、収益性も低いベンチャーには余らせるほどの人を雇う余裕がありません。

バイオベンチャーでは「新人」であろうが、「ベテラン」であろうが関係なく誰もが「戦力」です。会社に育ててもらおう、という気持ちがあるとしたらバイオベンチャーは避けた方が無難です。

入社直後のオリエンテーションが数時間あったら、即現場に配属されます。人が少ないということは少数精鋭であるとも言えます。その分、色々な経験ができますから、十分成長していけます。

働くうえでは、主体性と積極性が必要です。受け身では仕事になりません。

 

② 仕事が細分化されていない

大企業では「あなたの仕事はこれだからね」、「それはあなたの仕事でしょ?」なんて会話もあるかもしれません。大企業には、正社員以外にも非正規社員や派遣社員、パート社員がいて、それぞれの役割が明確化しています。

ところが、ベンチャーは前述の通り、どの社員も戦力ですから…

「あれもこれもそれも全部自分でやらなければならない」場面によく遭遇します。これは一人あたりの業務範囲が広いということでもあります。なかには、大手企業にいたら経験できない仕事も経験するので個人の努力次第では大企業に負けないスキルも身に付きます。

様々な経験は技術者にとっても成長へとつながりますので、魅力的な環境です。特に、独自技術を保有している会社にいれば、その会社を例え辞めたとしても、そこで得た経験は財産になります。

しかし、裏を返せば「それだけ責任がある」、「仕事の量が多い」ということでもあるので大変な思いはします。最初は大変と感じていても、人は慣れる生き物。一度、慣れ出すとそれがやりがいへとつながっていくかもしれません。

バイオベンチャーのような職場環境に身を置いたことで、ぼくの仕事観は変わりました。

 

③ 風通しのよい社風

バイオベンチャーでは、一般の社員と社長・役員など経営層との物理的・心理的な距離が近いものです。

従って、意思決定はとても早いです。スピード感を持って仕事に取り組むことができます。

大企業では社長をはじめとした経営層と一緒に仕事をする機会などほとんどないのではないでしょうか。なかには、「社長?誰だっけ?」という人もいるでしょう。ベンチャー企業の社長はカリスマ性を備え、頭がキレる人も多いので、一緒に仕事をすることで自然と学ぶことが増えていきます。

また、一般社員と経営層の心理的距離も近いことで、現場の声が経営層に届きやすい環境です。

そうは言うものの、ボトムアップであることは少なく、資金に余裕がなく厳しい経営を強いられてる面もあってかトップダウンなところが多いです。

職場の雰囲気というものは、実際に入社して経験してみないことには分かりませんがイメージしてもらえるといいです。

 

④ 人手不足に陥りやすい

会社におけるコストでネックになるのが人件費です。

例え、売上が十分でなくても、収益が出てなくても、雇用している以上は会社は従業員に給料を払わなくてはなりません。

バイオベンチャーは人手不足に陥りやすいです。繰り返しになりますが、一人あたりの業務範囲も広くならざるを得ません。最終的には仕事量の多さへと繋がり、プレイベートを犠牲にしなければならないこともあります。

 

⑤ 去っていく人も多い

バイオベンチャーに限ったことではありませんが、入社してもすぐに辞めていく人も一定数はいます。

特に、仕事量が多いと、労働時間が長くなっていきます。職場環境を酷と感じて辞めていく人もいれば、待遇面に満足できずに辞めていく人もいます。

バイオベンチャーは先行きが不透明なこともあり、資金にも余裕がありません。待遇面では見劣りします。

もしも求人を探しているのであれば、その募集が業務過多によるものか?事業拡大のためか?欠員補充なのか?を確認できればした方がいいです。業務過多や事業拡大やよるものであればチャンスかもしれません。

 

⑥ 待遇は期待できない?

前述した通り、待遇面はやはり大手には適いません。

給料は会社の給与規定により決められます。賞与は業績によるところが多いので、ない会社もバイオベンチャーでは珍しくありません。

ベンチャーの年収は数字だけで見れば悪くはないところもありますが、実際は手当などの福利厚生面や賞与の支給等により低くなることがあります。

多くのベンチャーの求人広告を見てきましたが、手当として支払われるのは通勤手当、深夜・休日手当くらいです。住宅手当や家族手当はある方が珍しいです。退職金も残念ながらない会社がほとんどです。

ぼくが在籍していた会社も住宅手当、家族手当、退職金なしです。賞与もなしでした。とはいえ、会社が成長すれば待遇面は著しく改善される可能性もあります。待遇面に満足できなかったら、仕事に打ち込み、自分で会社を大きく成長させるしかないのかもしれません。

ぼくが在籍していた会社では、時間外手当が15分単位で支給されていました。仕事量が多い時期は1か月で50万円以上支給される月もありましたが、仕事量が少ない時期は基本給程度の支給しかありませんでした。

特に、住民税は前年の年収で支払額が決まるので苦しかったです。極端に収入が多い年の翌年の年収が極端に下がると悲惨です。

 

⑦ 会社の成長を肌で感じられる

冒頭でお話ししたアメリカのAMEGENという会社ですが、1980年の創業の時にはたったの3人でした。それが今では全世界に2万人を超す社員を抱えるグローバル企業となっています。

バイオベンチャーは事業機会に恵まれ、成功すればAMGENのように大化けする可能性を秘めています。

特に、資金調達のために株式上場を行うバイオベンチャーも増えています。東証マザーズにはバイオベンチャーの銘柄も多いです。従業員数、売上、社内環境などの変化で会社の成長を肌で感じられるのは、ベンチャーならではだと私は思います。

まさに、ベンチャーで働く醍醐味の一つでしょう。

 

⑧ 夢・ビジョン・やりがい

バイオベンチャーにどうして入社するのでしょうか。それは、会社の「夢」や「ビジョン」に少なくとも共感したからではないでしょうか。そうでもなければ、好き好んでベンチャーに入りたい人はいないと思います。

安定を求めているのにバイオベンチャーを選択する人はいないと思います。

全社員が夢・ビジョンに共感し、同じベクトルを持っていたら…それはフットワークもよく、スピード感もあって、なかなか強い組織だと思います。その中で生まれる絆や一体感は言葉では言い表せないものがあります。

ぼくが在籍していた会社も同じでした。

休日出勤や時間外労働が多くて辛い時期もありましたが、それを乗り切れたのは同じ志を持った仲間がいたからだと感じます。共通の目標を持った同じ志を持った仲間がいるから、仲間と一緒に目標を追いかけることに「やりがい」を感じました。

 

6. まとめ

バイオベンチャーで働いてみて感じたことをストレートに書いてみました。

退職しておいてですが、ぼくはバイオベンチャーに入社して良かったと心から思います。

仕事が多くて一か月に1回しか休みが与えられなかったり、もともと休日だったところを急なスケジュール変更で仕事にされたり、プライベートを犠牲にしていた時期も在職中はありました。

それでも、職場は、ぼくにとって学ぶことばかりでした。辛い時期を乗り越えれたのも「同じ志を持った仲間」の存在でした。今でも、時々ベンチャーの社風が自分にはやっぱり合ってるな、と思うことがあります。

現在の会社は、ライフワークバランスも満たされており、待遇面も含めかつて在籍していたベンチャー企業と比べたら神様のような会社ですが、心のどこかには物足りなさはありますね。

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