居酒屋業界で働く20代の私が安定職へ転職活動して思ったこと

私はもともと大学で希望業種の就職活動に失敗し、どうにか仕事を始めるためにも居酒屋チェーン店にて就職しました。留年してもう少し長く就職活動をする道も考えたものの、金銭的な負担を両親にかけるわけにはいかないと思いました。

下には妹も弟もいますし、兄として立派な背中を見せたいと考えたのです。実際に居酒屋チェーンの店長も経験した僕が、20代から30代にかけて転職した理由や、男性ならではのキャリアデザインについて自分の体験談をご紹介していきたいと思います。

大学の卒業とともに飛び込んだ飲食業の世界ですが、学生時代に少しだけアルバイトをしていた経験もあり特にやりたくない仕事だったわけではありません。むしろ、経験がある分仕事が始まってもすぐに馴染めるし、店長やマネージャーだって夢じゃないかも!と前向きな気持ちで考えていました。

同じ20代の新卒採用のなかでは、もともと基本給も高めに設定されていましたし、住宅手当などもあり安定して働ける仕事に就職できたとも思いました。

もちろん上を見たらきりがありませんが、大手だからこそいきなり潰れてしまう心配もありません。居酒屋のなかでも誰もが知っているような有名店に就職したことが、僕の心の安心にも繋がっていたのです。

20代で入社するとまずは混雑店で社員として働き、現場を知るための研修が行われます。社員といえるほどの立場があるわけでもなく、アルバイトのように気軽に働けるわけでもありません。

仕事で求められるのは社員としての仕事のレベルですが、アルバイトのほうがお店のことを知っているので、教えてもらいつつお店を回していくなど難易度の高い仕事が求められます。

アルバイトが休んだときは、代わりに働きシフトの穴を埋めるのも社員の仕事なので、金曜日、土曜日など混雑するときは絶対に休めません。新入社員といっても「見て慣れろ」のお店も多いので、覚えることも多く毎日大変です。

そんなとにかく多忙な20代新入社員時代を過ごし、少し慣れて来た頃配属されるお店が決まります。居酒屋チェーン店は「ある程度」希望の範囲は出せるものの、その範囲内で異動もあります。

事前に通知されるものの、異動ギリギリになることも多々…。昨日まで一緒に働いていた人がいきなり転勤になり、新しい別の社員がやってきて穴を埋めるなんてこともありました。いろいろな社員もいますしアルバイトもいます。仕事はもちろん、アルバイトとの関係を良好に保つことも仕事の一つです。

さて、そんな僕が20代なかばの26歳にさしかかった頃親のすすめでお見合いをしました。僕にはもったいないほどの素敵な女性になり、会社の休みに一緒に食事をしたり映画を観に行くなかで次第に惹かれていき、お付き合いするまでになりました。

彼女との時間はとても幸せでしたが、とにかく時間が合わないのでなかなか会えないこと、将来を考えたときに今の状態ではいけないと思い始めました。というのも、居酒屋は夜がメインの仕事になります。

そのため、入れ違いの生活になってしまいますし、一緒に過ごす時間がほとんどありません。一般的な恋人たちの行事は一切関係なく、年末年始もほぼ仕事ばかり。こんな状況で彼女との結婚を前向きには考えられないと思いました。

そんな僕が出会ったのが、5歳年上の同じ20代でコーチングを専門として活躍している男性でした。

今まで飲食業界しか経験のない僕がどうやって転職したらいいのか、正直書類の書き方もわかりませんし、どんな職業があるのか?自分のやりたいことすらもわからない状況でした。そこでコーチングで相談し、将来も安泰のインフラ関係の仕事を探すことにしたいのです。

どんな状況になったとしてもインフラの仕事は絶対になくなりません。また仕事のなかには彼女と同じ土日祝でお休みがとれるものもあり、長く続けられそうな環境だと思いました。

20代のうちに結果を出したいと何度かコーチングに足を運びつつ、有給を使いながら転職活動を始めました。最初はうまく面接で話もできず緊張してしまいました。でもなんのために面接をしているのか?自分の目標や目的を考えるきっかけをいただき、自分が最も大切なものはなにかブレずに転職活動を続けることができました。

もし一人で転職活動をしていたら、心が折れて嫌になっていたかもしれません。なんでも相談でき話を聞いてくれる人がいたからこそ頑張れたのだと思います。

その後、僕は廃棄物にする本社管理の仕事に転職しました。人間の生活の身近なところにあり、絶対になくならない仕事だと思っています。本社の採用を見つけたとき、今まで居酒屋チェーンしか経験のない僕が受かるはずがないと思っていました。

挫折することになっても、後悔するよりは前に進んでいこうと思えたのは、コーチングの経験があったからだと思います。20代男性がキャリアデザインを考えるのは決して特別なことだと思いません。あのときの選択が今の人生に繋がっているのだと考えると、当時の僕を褒めてあげたいなと思っている今日この頃です。