女性も20代でキャリアデザインを考えると起業の道が開ける
私は新卒で希望の会社に総合職として入社しました。人気の大手企業ですし将来も安心できると両親も喜んでくれて嬉しかったのを覚えています。会社に入社した同僚のなかには「集団に入れば将来は安泰でなんとかなる」と考える人も多く、私もこのままなんとなく仕事をこなして給料をもらいボーナスで何を買おうかなと気楽に考えている一面もありました。
そんな私が、入社して3年が経過した頃、自分の仕事に対して疑問を持つようになりました。このままでいいのかな…という気持ちがあるなか、誰に相談したらいいのか?会社の人に相談するのはちょっと勇気が入りますし、自分の考えを全否定されてしまうような気がして悩んでいました。友達にも「女性は結婚や出産もあるし仕事は楽なほうがいいよ」と考える人もいて、相談できそうにない…。ビジネスの場では女性がキャリアを積むのは難しいといわれるなか、私が20代でキャリアデザインを受け、どう変わったのか書き記していきたいと思います。

まず、私が仕事に疑問を持ったのは残業への考え方でした。私の直属の上司は新人のうちは仕事を覚える為に、残業をするのが当たり前、自分の力量で仕事が覚えられないのだから残業代は支給しないと考えるちょっとブラックよりな考え方をする人でした。ミスをして長時間会社に残っても処理にかかる時間は一切支給されません。社会に出たばかりの私は、仕事を覚えるまでは仕方ないのか…と思っていましたし、これが当たり前かなとも。
でもそれが1年、2年と続いていくと理不尽な内容でも残業を求められるようになりました。最初に残業をしてしまったため会社にとっては残業をするのが当たり前になってしまっていたのです。私が残業すると後輩も自動的に残るようになってしまい、「残業しなくてもいいよ」と帰しても上司から注意されるなど間に挟まれることも増えました。
当時私も大学時代から付き合っていた彼氏がいたのですが、残業で会えない日々が続くと彼氏の方から「会えないなら別れたい」といわれてしまいました。正直結婚まで考えていた彼氏だったので、落ち込みました。仕事と私生活の両立なんて無理だと考えるようになったきっかけでもあります。
今は働き方改革など変わりつつありますが、当時は残業をすることに対して当たり前と考える会社でした。むしろ残業をしない20代女性社員に対しては責任のある仕事を任せない社風もあり、せっかく就職したのに退職の道を選ぶ人もいました。後輩に仕事を教えても、1年持てばいいほうで、次に入社した社員に教えて…を何度も繰り返す状態です。自分に任される仕事ばかり増え、心身ともに疲弊していきました。
20代の女性がキャリアを積みたいと思っていても、現実問題として職場環境が悪ければ続けていくのも難しくなります。私にはまだ関係がなかったものの育休を取っていた先輩が会社に戻ってきたあとの、上司の女性差別的な態度を見ていて「20代でもキャリアデザインを考えるべきがある」と考えるようになりました。私の大学時代の友人の知り合いにコーチングについて学んでいる人がいたので、思いきって相談してみました。

今まで自分が置かれていた状況や、このままで良いのか途中泣きながら話したのを覚えています。仕事が忙しすぎて今置かれている状況を冷静に判断できなくなっていたことにも気が付きました。男性とは違い女性のキャリアデザインは、結婚や出産、育児の予定など近い将来のことも配慮しなくてはいけません。出産や育児などの理由で長期休暇を取らなくてはいけなくなり、仕事から離れている時間もできてしまいます。
「仕事でどうしたいの?」と聞かれたときに「自分のやりたいことが見えません…」としか答えることができませんでした。「キャリアデザインは自分自身が自らの手で主体的にキャリアをデザインすることだよ」とも教えていただき、まずは一度自分の仕事についてのあり方を考え直すべきだと考え、じっくりと考えたうえで会社を退職し新しい道を歩むことに決めました。上司から「本当に辞める?時間をかけてゆっくりと考えてもいい」と言っていただけましたが、ここで決めないと決心が揺らいでしまうと考え、「退職します」と伝えました。

その後、私は自分で仕事を切り開いていく“起業”という道を歩くことになり今に至ります。仕事のあり方に悩んできた経験があるからこそ、頑張りたい女性の為に力になれる仕事がしたいと思ったのです。企業に属す働き方も考えましたが“ありたい自分”を追求する意味でもこっちのほうが性に合っているのかなと考えています。コーチングで相談したことがきっかけで、自分のやりたいこと目指したい将来に迷子になっていたことも気付きました。20代でキャリアデザインを考えるきっかけがあったからこそ、今の私があります。やりがいもあり充実した時間が過ごせているのはコーチングのおかげだと思っています。