就職先で思い通りにならない。なんのために努力をしてきたのか自問自答する自分
私は今までの人生で順調に勝ち進んでいたつもりでした。良いとされる高校を出て、良いとされる大学を出て、良いとされる会社に入りました。しかし、その就職先で大きく躓いてしまったのです。ああ、今まで自分を騙して生きてきたのだなと気付いてしまいました。順調に人生を生きてきたつもりが、まさかの自己不在に陥ってしまいました。
自分を偽って生きてきた少年時代
物心がついた頃から、私は常に完璧な自分でいなければならないと考えて生きてきました。親からの期待、友人からの期待、様々なものを背負って生きてきました。学生時代は生徒会長を務め、部活動では運動部のキャプテンを務めました。そして、高偏差値の大学にも余裕を持って合格。傍から見たら完璧な人生だと自分でも自負をしていました。
しかし、就職活動を終えて、大学を卒業後の勤め先の大企業では何かもかもが思い通りになりません。私の勤め先は金融業界だったのですが、最初は下っ端からキャリアがスタートするのは当然のことかもしれませんが、私のプライドが許せませんでした。事業規模や業界の色合い的にも古風な文化が残っていたこともあり、上手く馴染めませんでした。

それでも、我慢を積み重ねて勤務をしていましたが、ある時に過労に過労が重なり、私は体調を崩してしまったのです。自分の中では、人生初の大きな挫折だと思います。きっと、心も体もボロボロだったのでしょう。そして、この体調を崩したことが私の中でのキャリアを改めて考える契機になりました。
私がキャリアデザインという概念を知ったのは丁度この時期です。自分自身が見栄で人生を作ってきてしまったことに気付いたのです。本当にやりたいことは何だろう?そのようなことを真剣に考えられたのは、キャリアデザインという考え方とコーチングに出会えたことが大きいです。
コーチングと出会い本当にやりたいことを知る

コーチングを始めて、最初に「あなたにとっての幸せとは何ですか?」と聞かれた時に、少しドキッとしてしまいました。私は今までの人生で「自分らしくいる」とか「あるがまま生きる」ということを軽視してきました。しかし、コーチングという考え方では、そのような価値観が大切だと気付くことができました。20代半ばにして、自らのキャリアに真剣に向き合うことになったのです。
自分が本当にやりたいことはなんだろう?そのようなことを真剣に考え抜きました。私は今まで誰かに評価をされたくて生きてきた。だが、本当にやりたいことは今の業界の仕事では無いのではないか?と思ってしまったのです。就職活動人気ランキングで上位にある金融業界だから今の仕事先を選んだ。でも、そこに好きという感情や、やりがいのようなものは見いだせない。
コーチングを進めていく中で、「あなたの本当にやりたいことは何ですか?幼い頃や少年時代に諦めてしまった物事はありませんか?」と言われたのです。その時、私はハッとしました。それは、幼少期から少年時代の部活動、大学時代のサークル活動までずっと続けてきたサッカーの存在です。私は、サッカーが本当に好きでした。しかしながら、プロになれるほど上手いわけでも無いと初めからブレーキをかけてプレイヤーをしてきました。
確かにサッカーのプロ・プレイヤーになることは難しかったことでしょう。しかし、好きな物事に携われる気概が大切なのではないか?とふと思ったのです。例えば、サッカーのプロ・プレイヤーになれなくても、プロのためのプロとしているという在り方も悪くないと思えたのです。
コーチの方からの質問を答えていくうちにで、自分の中で眠っていた情熱を思い出しました。これが巷で言われるその人の「やる気スイッチ」なのかもしれません。私は自分なりの形でサッカーに携わることを決めました。給料は良いけれども、激務でやりがいの無い仕事を捨てて、仮に金銭面では多少厳しくても、自分のやりたいことをやっていく人生を選ぶことにしました。今は、サッカーのコーチをして少年達にサッカーを教える活動や、サッカーショップでサッカーグッズの販売をしています。心底ワクワクすることをやっているので意欲で漲ているのが自分でも分かります。

まとめ
20代男性のキャリアデザインのエピソードにについてお伝えしました。無理をして生きてきた少年時代。周りの見栄のために生きる、社会的に評価されるから今の金融業界の仕事を選んだ。そのような己自身の在り方に疑問を抱き、本当に好きだった、自分を育ててくれたサッカー業界に携わりたいという風にこの方はコーチングをしていく中で気持ちを切り替えたのです。
確かに、金融業界でキャリアを形成していくことは今までの社会では高価値なキャリアでした。しかし、コーチングを進めていく中で、自分自身のやりたい事、好きな事、在るべき形にこの20代男性の方は気付けたわけです。プロになれなくても、プロのためのプロになって生きていこう。自分を育ててくれたサッカー業界に恩返しをしたいという一心で動いているに違いありません。