30代後半で塾講師だった私が転職を成功させた話

2020年8月27日

去年、私は約15年間勤めていた小さな進学塾をやめ、大手進学塾の講師に転職をしました。今回は私がキャリアデザインを考えて転職を成功させることができた秘訣をお話ししたいと思います。

転職がしたいと考え始めたのは、30代の後半でした。大学卒業後、バイトの期間を経て就職した小さな進学塾の講師を15年近くやり続けていました。小さな予備校に15年も務めていると、だんだんと任せられる仕事は増えてきます。私は、塾長と副塾長の下の立場で、各先生方を管理する役職についていました。先生方を管理し、新人の先生たちに授業の進め方を教える傍ら、生徒たちにも授業をしていました。

塾講師の仕事は一見授業を行うだけで簡単そうに思われがちですが、生徒に合わせた指導内容を考え、担当している生徒のレベルや性格によって教材を選び、指導方法を変化させることが求められます。また集団指導では生徒に偏りが出ないように配慮することも求められますし、すべての生徒が勉強にやる気を持っているわけではないのでそのような生徒たちのモチベーションを引き出す必要があります。塾講師はお金を払ってもらい授業をしているので、生徒たちを志望校へ合格させる責任があるのです。また、私たち塾講師は学校の教師とは異なる立場ですが、生徒が学校以外で出会う貴重な大人として、生徒たちがより良い進路設計や人としての成長ができるように頼れる存在でいる必要があります。面談を行い、勉強以外の学校の先生や両親に言うことのできない悩みを聞いてあげることが生徒の学力向上につながる場合もあるのです。このように生徒への指導だけでもかなりの労力と時間が必要であるにもかかわらず、先生方への指導や管理にも時間を割かなければならず毎日残業に追われていました。また、先生として働いている方たちのほとんどがバイトとして働いている大学生なので、シフトの日の当日になってのドタキャンや、シフトの変更などが多く、休みの日でも入る人がいなければ私が代わりに休日出勤をしなければいけないような状況でした。さらに、私が働いていた進学塾は、塾長の一家が経営している小さな塾であったため、この先働き続けても、出世は考えられませんでした。このような勤務状況や、将来性のなさから私は、転職を考え始めました。また、プライベートな話ですが、妻が妊娠し、子供を幸せにするためにも私がもっと稼がなければいけないと思ったのが最大の理由でした。

こうして私は30代後半にして、キャリアデザインを考え始めました。これまで塾講師しかしてこなかった私は、ほかの職業の経験がありません。しかし、子育てをしていくのを考えると給料面での待遇が第一条件であったし、塾講師というものに疲れ果ててしまっていたので、違う職種で考えていました。

そこで私は、知人に紹介したもらったコーチの方に転職の相談を始めました。

相談に乗ってもらおうと思って始めたコーチングでしたが、コーチの方は意外にも私にコーチングを習ったらどうかと勧めてくれました。コーチングとは相手の潜在能力を最大限に活かす方法だということでした。潜在能力を活かせるのならば、生徒たちの力をもっと伸ばしてあげられるのではないか?と思い、講座を受講することにしました。

この講座が思いのほか楽しく、コミュニケーションでのいろいろなスキルを学べ、新鮮な刺激をたくさんもらうことができました。

今までいろいろな面で、もっと生徒の話を聴いてあげて気持ちを引き出してあげていたらよかったと思いました。もっと早くコーチングを知っていたら、もっと生徒たちのお役に立てたのではないだろうかとも思いました。

それから、このコーチングによって、私は塾講師というものに誇りをもっていたことに気が付きました。

生徒は将来の目標を持ち、それを達成するために勉強をしています。よい成績を収め、よい学校に入り、さらに学んで目標をかなえるという長い道のりにおいて、最初の一歩が定期テストであり、受験です。その最初の一歩を乗り越えるための手助けをし、生徒が夢に進む瞬間に立ち会える特権のようなものを塾講師は持っていることに気が付きました。確かに彼らの学力を上げるためには授業時間だけでなくそれ以外の時間も生徒一人ひとりに向き合い、彼らの特徴に合わせて授業を変化させる必要があり、大変ですが、だからこそ彼らが志望校に合格した時は自分のことのようにうれしいです。また、生徒を指導する立場なので自分自身も常に学んでいかなければならないという環境もじぶんにあっていると気が付きました。塾講師という職業に疲れ、違う職種で転職を考えていた私ですが、コーチングがきっかけで自分が塾講師という仕事が好きで向いているということに気が付かされました。

 私は、同じ塾講師で給料面アップを条件に転職をはじめ、給料が倍以上ある大手の進学塾に転職をすることができました。習得したコーチングのスキルも転職するときに自分の大きな強みになり、 30代後半でもうすぐ40歳にもなろうとしていましたが、 転職先の進学塾でも一目置かれた存在になりました。

あの時のコーチングによって、自分自身に向き合い、自分はどんな職業がむいていてなにをやりたいかのかを気が付くことができ、さらに技術も習得することができたのです。

昔の私のように、転職はしたいが自分がどのようの職業に向いているのかわからないという人は多いと思います。自分自身に向き合い、自分はどんな時にやりがいを感じるのか、何をしたときにうれしいと感じるのかを整理したうえでキャリアデザインを考え、転職を始める方がいいと思います。たしかに給料面や労働環境も大切ですが仕事への情熱ややりがいを感じる職業に転職していただきたいと思っています。