30代女性がキャリアデザインを考えた栄養士の資格を生かすべきかどうか

2020年9月4日

30代の女性って何かと自分のライフスタイルを見直す機会が多いと思います。私は栄養関係の専門学校を卒業し、栄養士の資格を取得しました。その後、資格を生かして仕事がしたいとキャリアデザインを持っていたものの採用されず、栄養士の資格が今すぐでなくとも将来的に活かせる会社に就職しました。将来的に栄養士監修の事業にも携わっていく予定とのことで、期待しての入社でした。

ただ入社して3年・5年経過するもその事業が実現することはありませんでした。でも職場は女性も多く人間関係も良好ですし、給料面でも満足していたので仕事を続けていました。

時々せっかく栄養士の資格を勉強したのだから、いかせる職場に転職するべきか悩むこともありましたが、まわりで転職している人の多くが後悔している人ばかりで踏み出す勇気が持てませんでした。私自身、せっかく入社した会社を自分のやりたいことがあるからと辞めてしまうのはもったいない気もしていたのです。

そんな私も30代に入ったのを機会に素敵な男性と出会い結婚し子どもができると、産休・育休を取得することになりました。先輩で取得している人も多く、私がいる部署ではみんなで協力し合うチームワークもあったので「女性向きの会社に就職したな」と。妊娠中も安心して仕事が続けられましたし、産休に入る前も「頑張ってね!」と温かい声をかけていただき、嬉しかったのを覚えています。

育休中の最初の3ヶ月はとにかくバタバタしていましたが、少し余裕が出てきた頃、専門学生時代の友人と久しぶりに食事に行く機会がありました。彼女は学校で栄養士の仕事をしており、現在2人の子どもがいる先輩ママでもあります。

仕事復帰で会社に戻ってから仕事と育児の両立ができるのか不安に思っていたので、いろいろ話を聞いてみたいと思いました。彼女は栄養士としてほぼ献立を任せてもらえるまでになり、大変ながらもやりがいを感じていると嬉しそうに話してくれました。

「子どもに自慢できる仕事がしたい」と高い目標をもって頑張る彼女がなんだか羨ましくなってしまったのです。

「私は何がしたいんだろう」育休中とにかく考えました。あんなに夢にまで見た栄養士の資格をとったのに仕事でいかせない職場では無駄になってしまうのではないか?今は満足できていてもいつか後悔しないか?栄養士として働いていない自分を子どものせいにしてしまわないか?など考えだしたらきりがありません。30代女性に多いライフイベントの変化によるキャリアデザインの問題に直面してしまったのです。

年齢的にも30代という焦りもあったのだと思います。育休が終わり会社に復帰するも、子どもが体調を崩すたびに謝罪しながら帰る日々。嫌味を言われることはないものの「え、また?」と保育園から呼び出しの電話がかかってくるたびに強いストレスを感じるようになりました。

まわりの先輩からは「子どもが小さいうちは仕方ないよ」とフォローしてもらったにも関わらず、自分の気持ちも仕事に向き合えていない今の状況に辛くなってしまいました。そんな状況が1年続き「離職願い」を会社に出すことにしました。

上司は私の話を真摯に聞いてくれました。「もう少し頑張ってみない?」「しばらく休業する選択肢もあるから様子を見てみてはどうかな?」など、辞めないで欲しいと引き留めてもらいました。迷っている私を見かねて「そんなに悩んでいるならコーチングを受けてみないか?」と提案していただいたのが、私の人生を変えるきっかけになりました。それまで恥ずかしながらコーチングを知らず、最初はなんのことを言っているのかわかりませんでした。

キャリアデザインを考えるお手伝いをしてくれる専門家で、自身も30代の頃に仕事で悩んでいたときに相談したことがあったそうです。コーチングでわかったことは、私はいろいろなことを混同して考えてしまっていたこと。栄養士の資格をいかすのは何も本業でなくても副業として栄養士の経験を積むこともでき、キャリア形成に繋がるなど、自分は想像すらしたことのない視点に気づかせてくれました。

キャリアデザイン以前に私は狭い世界でしか物事を見られなくなっていたのだと思います。恵まれた職場をわざわざ手放す必要もなく、子育てが少し落ち着いてきたら栄養士の資格をいかせそうな副業を探してみたいと思いました。

自分の想いや考えを相談するのは勇気がいることですが、コーチングって素晴らしいものだなと感じました。将来的に私もコーチングで誰かの役に立てたら嬉しいななんて気持ちも芽生えています。

今の時代は選択肢が多いからこそ、時間や金銭的な面で許される限り自分のやりたいことを諦めず頑張ってみたいと思います。子どもにとっては生き生きと仕事をして頑張っている母親の姿ほど嬉しいものはないですし、栄養士にこだわりすぎていたのは私だけだったのかもしれません。

誰かに相談するだけでもこれだけ気持ちが楽になるのですから、もっと多くの女性にキャリアデザインを考える機会が増えればいいなと思います。