スーパーでパートだった40代の私が就職して部長になるまで

2020年7月16日

15年前、ただのスーパーのパートだった30歳の私は、現在45歳で部長として働いています。部長になるまでに様々なきっかけや決意がありました。今の私が言えることは、何歳になってもしっかりとしたキャリアデザインを考えることと、やりがいをもって楽しく仕事をすることが、出世につながるとそう確信しています。皆さんに私の経験をシェアする機会をいただいたので、書かせていただきました。

 スーパーでパートとして働く前の私は、2人の男の子を育てる専業主婦でした。子供たちが小学校に上がり、時間ができたため生活費を稼ごうと軽い気持ちでスーパーのパートを始めました。パートを始めて5年が経ち、バイトリーダーのような立場にいた私は、当時働いていたスーパーの店長から、正社員として働き始めないかと打診されました。その少し前に夫が転職をし、給料が前の仕事と比べて半分近く少なくなっていたこともあり、私が正社員として働き始めるのは経済的にいいタイミングではあったのですが、正社員として働きながら子育てを続けていけるのか悩みました。正直週3から4回ほどのパートと子育ての両立だけでもかなりきつかったので、正社員としてやっていけるか不安でした。しかし、子供2人を大学まで行かせることを考えると働き始めるべきだと考えました。

そんな時、あるサイトでコーチングという言葉をしりました。自分の人生に悩んだ時に寄り添ってくれると書いてあったので、やってみようと思いました。私が申し込みをしたコーチは電話でも対応してくれたので、忙しい時間の中でもやり繰りしてコーチングを受けることができました。

そんなコーチングを続けることで気づいたのは、私は子供たちにとって「かっこいいお母さん」になりたいと思っているということでした。どうせ働くなら真剣にバリバリ働いてやろうと決めました。また私は出産までは、コンサルをしているベンチャー企業でOLをしていたので、もう一度仕事で働いて輝きたい。そう思いました。そのためにも、私はスーパーの正社員として働く40代になった時の私のキャリアデザインをしっかり考え始めました。どうせ働くなら上を目指して働こうと思い、コーチのサポートに従って、一年単位での自分の目標を決めました。目標の定め方をコーチの方に聞きながら、ノートになりたい自分と目標をまとめていきました。

 私は、社員となり部門マネージャーになりました。いきなり部門マネージャーになることは珍しいですが、私はパートとして経験があり店長からの信頼があったのと、店側の人材不足という点があったと思います。担当は青果でした。スーパーの社員はバイトと仕事内容が変わらないと思われがちですが、大きく違います。部門マネージャーになると、どちらというとスーパーの中に自分の店を持つ感覚に近く、成果担当だった私は、スーパーの中で自分の八百屋を経営している感じでしたのでかなり自由度が高く大変な分、やりがいがありました。(おそらく店によって差はあると思います。)

売り上げを伸ばすために、売り上げデータを前年と直近とで比較をしたり、世界のトレンドをいち早くキャッチしたりと、売れ筋商品の動向をつかんで集客につなげるため戦略を練りました。自分が担当している部門の売り上げをどう伸ばして、店舗としての売り上げ向上にどうつなげていくかという視点で考え、市場に注文を発注し、利益管理をして再び戦略を立てる。その繰り返しでした。

私はコンサルで働いていた時、小売り系の中小企業を担当していたこともあったのでその経験が生きたと思います。売り上げがよくても、人件費などのコストがかかりすぎると利益としてはよくないので、コストをかけずに利益を上げる方法をほかの部門も巻き込み考えました。部門マネージャーの仕事は私に向いていたのかとてもやりがいがあり、仕事が楽しくて仕方がないと感じました。これまで子育てしかなかった私の生きがいに仕事も追加されました。楽しみながら働くことができたおかげか、私が部門マネージャーをしている青果部門の売り上げはどんどん上がっていきました。私が担当をして2年目を迎えると、担当する前の年の売り上げに比べて3倍にまで伸ばすことができました。さらに青果部門につられ店全体の売り上げも大幅に伸び、エリアで一番の売り上げを出している店舗になりました。

 私は正社員として働き始めて3年目を迎えるころ人事部へ出世することができました。一店舗の部門マネージャーから2年で人事部への移動は異例の大出世でした。そこから10年かけて、人事部から、エリアマネージャーになり、今では部長として働いています。働き始めたときから今までずっとかっこいい母であるという目標を忘れずに、真剣に育児にも仕事にも向き合っていきました。息子2人も大学を卒業し、就職して家を巣立ちました。30歳の時描いた理想の40代になった時のキャリアデザインを考え、ノートに書いた目標通りの日々を過ごせています。あのときコーチに教えてもらった、ノートに目標を設定し、それに向かっていくという、自分の人生を設計する方法は、私の一生の宝物として、部長になった今でも活用しています。自分の人生のキャリアをデザインするうえで、目標を設定することとそこから逆算していくことがとても重要だと思います。コーチングはそんなキャリアデザインの方法を教えてくれました。就職や、人生の転機に迷っている皆さんも一度、コーチングを試してみてほしいと思います。