40代SEの私がキャリアデザインを考えると、仕事への考え方に変化が生まれた

2020年8月27日

40代男性と聞くと、仕事もバリバリこなして高収入で家庭も充実していて…そんな毎日が充実していて楽しい世代だと思っていました。

新卒で入社して20年も経てば会社に評価されて当たり前、やりがいのある仕事を任されてるようなキャリアデザインをイメージしていたのだと思います。

そんな私は現在45歳、システムエンジニアとして新卒で会社に入社しましたが、当時SEといえば高収入な仕事で将来性もあり高く注目されていました。

大学在学中、特にやりたいこともなかった私は少しでも将来性の高い仕事に就きたいと思い、SEの専門学校と掛け持ちし資格を取得しました。SEには絶対的に資格が必要なわけではありませんが、就職先を選ぶ上で圧倒的に有利なこと、担当できる仕事の幅が広くなることもあり、大学在学中に学びました。

そのためゼミで飲みに行ったり、みんなで泊りがけで遊びに行ったりした経験はほとんどありません。なかには両立できる人もいたけど、やりたいことに対してまっすぐにしか向き合えない自分の性格もわかっていたのでSEの勉強を優先しました。

SEになってから顧客の要求を元に仕様を作りシステムの設計を行うことを基本に、基本設計、詳細設計、製造、テストの一部を担当することもあれば上流工程の全てを担当することもありました。

決められた仕事内容だけにとどまらず、幅広い業務に携わらせていただいたのは、とても有り難いことだと思っています。SEの仕事というと、一人で黙々と作業をするイメージを持っている人もいるのですが、実際は顧客にヒアリングをしたり説明する業務、交渉、調整などの仕事も必要になります。

プログラマーをまとめるのもSEのしごとなのでコミュニケーション能力も求められます。残業も多くプログラムの進行中は休み返上で職場に行くことも当たり前、ときには明け方まで残業することもありました。

私は仕事が生きがいだったこともあり、どんなに忙しくても苦痛に感じたことはありません。ただ一緒に生活する家族には寂しい思いをさせてしまっていたこともあります。ただ40代に入り仕事への想いが少しずつ変化してきました。

というのも20代・30代と違い無理をした分だけ体に負担がかかり、疲れやすくなったり体力が衰えてきたのを感じました。毎日パソコンを見ていたせいか、視力の低下や眼精疲労などの負担も感じるように。もともと運動不足だったこともあり、腰痛や肩こりなどの不調に悩むこともありました。

また、今更と言われるかもしれませんが毎日が同じことの積み重ねの現状につまらないと感じはじめていました。職場と家との行き帰りの毎日に飽き飽きしてしまったのです。40代にもなると若い世代ほど仕事に対しての勢いはなくなりますし、やっている仕事に対して会社から評価されていないと感じることも増えました。

どんなに残業し身を粉にして働いても給料が上がるわけではありません。しかも近ごろは働き方改革もありできるだけ残業をせずに定時で帰る取り組みも増えてきました。そうなるとSEの仕事は顧客との兼ね合いによっても仕事の進み具合がかわるので、正直思い通りにならないこともあります。

それでも会社のほうから「残業しない」と厳しくいわれてしまい、結果タイムカードを切ったうえで残って仕事をすることもありました。

あと、会社の先が見えてしまったこともモチベーションが維持できなくなった理由の1つです。今の会社は決して小規模ではないものの、これからどのぐらい発展していくのかは見えません。トップに立っていた社長の代替わりがあり、若社長になってからは仕事に対してのやり方も変わってしまいましたし、このままどうなるのかな~と思う日も増えました。

40代男性としてこのままではいけないと、キャリアデザインを考え始めたのです。でも40代にもなると誰かに相談する勇気も出なくなります。

ちまたではコーチングなど男性のキャリアデザインについて相談にのってくれるところもあると聞きましたが、今まで誰にも頼らず頑張ってきたことを考えると40代にもなった男性が行く気にはなれませんでした。

そんな私は現在も今までの会社で働いています。キャリアデザインに興味を持ったものの、行動することはできませんでした。

先日、久しぶりに大学の同窓会があり友人に会った際に、会社員から独立起業した人がいて「コーチングで相談して転職を決めた」と話していたのを耳にしました。同じ年なのにこれだけの差が出てしまっていることに正直驚きました。コーチングについていろいろと教えてもらったので、今度勇気を出して相談してみたいなとも思っています。

まわりにコーチングを受けた経験がある人がいないと、私達世代は聞き慣れない言葉に重い腰をあげられない人もいると思います。限り有る人生ですし40代男性でもキャリアデザインについて考え、自分の未来を変えていけるかどうかは行動した人のみに与えられるチャンスなのではないかと思いました。