50代の女性看護師がキャリアデザインを考え働きやすい職場を見つけるまで

2020年8月20日

私は50代の現役看護師として働いています。以前の総合病院から町にあるような小さなクリニックに転職しました。今は決められた時間のなかで働けますし、看護師の人数も3名いてベテランの方ばかりなので精神的にも肉体的にも安心して仕事ができています。

給料面に関しては少し下がったものの、仕事内容や負担を考えても今の状況が一番合っています。実はクリニックに転職したのは50代に入ったばかりの頃でした。どうして私がこの年代になって女性のキャリアデザインを考えることになったのか、説明させていただきます。

私は大学を卒業後、一般の企業の事務として就職しています。パソコンと向かい合って事務作業をこなす毎日でしたが、お昼休みになるとお財布を片手に丸の内のレストランに繰り出す、そんな理想のOL生活を送っていました。

当時は“丸の内OL”なんて呼ばれて、男性からの誘いも多く楽しい毎日を送っていました。そんな私がどうして看護師の仕事に就いたのかというと、結婚・出産を機会に仕事を退職したことにあります。

私が20代の頃は寿退社を選ぶ女性が多く、結婚したあとはのんびりと主婦業をしている人がたくさんいました。今の人達のように仕事と育児を両立するような激務の働き方ではなく、女性は妻として旦那を支えることが求められた時代です。私もその状況に対して疑問を持つことはありませんでした。

ただ育児が落ち着いてきた30代になり、何か手に職をつけて働きたいな…とキャリアデザインを考えるようになったのです。これから再就職するのであれば長く働き続けられる仕事をと考え、家族の協力もあり看護師学校に通い資格を取得しました。

毎日の家事・育児と勉強で正直大変でしたが、女性として自信を持って働けると考えると資格をとったことが誇らしく、一日でも早く活躍したいと考えるようになりました。

ここで私は看護師の厳しい現実を知るのです。いわゆる総合病院などである程度勤続年数を重ねていないと、町にあるクリニックではほとんど採用してもらえません。しかも若い世代ならまだしも30代で看護師資格はあるものの未経験になると、人手不足の総合病院ぐらいしか働ける場所がなかったのです。

看護師として働くと決めた以上、総合病院でもいいのですが、日勤だけでなく夜勤もあるので続けていけるかどうかとても不安でした。

実際に仕事を始めてみると日勤→夜勤→休み→日勤といったようにシフトは変動性でした。仕事はとにかくやることが多く毎日時間に追われ、家に帰ると疲れてぐったりとするような毎日が続きました。

職場で辛かったことといえば、20歳そこそこの新人さんと同じ扱いを受けることです。先輩といっても20代・30代の人も多く年下の年代の人に指導をしてもらうことも日常茶飯事です。看護師の世界は男性も少しずつ増えてきたものの、やはり女性がメインです。

そうなるとちょっとしたことでもいざこざがあったり、夜勤の回数などで揉めることもありました。私が勤めていた総合病院は大丈夫でしたが、なかには派閥がある病院もあると耳にしたこともあります。看護師の仕事はとにかく体力勝負です。

夜勤は人が少なく代わりがきかない勤務なので、どんなに体調が悪くても休めません。しかもそんな体調でもやることが盛りだくさんで椅子に座って休んでいる時間すらないのです。

私が働いていた病院は救急の受け入れもあったので、夜中でもバタバタします。残業も多くときには日勤のあとに夜中まで残って仕事をしなくてはいけないこともありました。

あと、地味にきついな…と思ったのが休みの日にも勉強会やガイダンスなどの仕事関係のことで出勤しなくてはいけないことです。せっかくの休みといえどものんびりとリフレッシュしたり家族とのんびり過ごす時間が取れません。こんな職場で10年ほど勤めていましたが、50歳を目の前にして体力的にも続けていくのは無理だと判断しました。

50代女性の転職を考えるうえでキャリアデザインについて相談したいと思い、知人に紹介してもらいコーチングを受けました。年齢を重ねるほど慎重に選ばないといけないこと、今までの総合病院での経験もあるので、クリニックに転職してみるのも1つの手であることなど、迷っていた私の背中を押してくれました。

キャリアデザインについて相談したあと、何件も面接に足を運び、クリニックへの転職が決まりました。総合病院でしか働けない、年齢的にも厳しいと諦めていたので、無事に転職できたときほっとしました。

50代女性になるとどんなに希望するキャリアデザインがあっても実現できないのでは?と考えてしまいがちです。でも諦めたらそこで終わりなんですよね。

看護師として働き続けるためにも、自分の年代にあった職場で誰かを笑顔にできる仕事が続けられたら嬉しいです。50代といってもまだまだ現役の気持ちを忘れずに頑張っていきたいと思っています。コーチングが迷い続けていた私の背中を押してくれました。