50代男性がキャリアデザインで早期退職制度を利用した理由

2020年9月4日

私はもともと大手メーカー勤務で約30年のキャリアを築いてきました。今まで管理職の経験はありませんが、後輩の育成に携わったり面倒を見てきた経験を生かして50代から何か新しい仕事を始めたいと考えるようになりました。人生100年と考えるとちょうど折返し地点になりますし、自分の人生をもう一度輝かせたいと思ったのです。

どうして50代男性が自分のキャリアデザインを考え直そうかと思ったのか?それは近頃の中高年を積極的に採用する企業が増えていることにあります。もちろん、若い世代の転職と比べると難しいのはわかっています。

ただ少子高齢化の影響もあり労働力が不足していたり、中高年で補おうとする動きも増えてきたのです。ある程度キャリアを積んできたからこそ、男性でも再就職のできる環境であると、以前受けたコーチングでもアドバイスをいただきました。私は40代の頃から仕事に対して疑問を持ち、コーチングなどの専門家に相談し転職する機会を狙っていました。

その以前にハローワークにも足を運びましたが、40代男性の年齢だけを見て紹介された仕事は月給16~18万円前後…。今まで仕事で稼いだお金で貯金してきた分を考えても、毎月貯金を切り崩す生活が続けば家族を路頭に迷わせてしまうことになります。キャリアデザインに悩んでいた私は、コーチングの先生からも焦らないようにと何度もお話をいただいていたので、様子を見ることにしました。

そもそも私が就職した時代は就職氷河期の影響を受けていたこともあり、とにかく入れる会社に就職するのがやっとな状況でした。東大卒など四大を出ていても自分のやりたい仕事に就職できる人はほんの一握りしかいなかったのです。

当時は結婚したら妻を養うのは男性の仕事だという風潮も強く、今の時代のように嫌になったら転職が安易に許される時代でもありません。そのため大手メーカーに就職した私は、とにかく結果を残し会社にとって必要な人間になれるように身を粉にして頑張ってきたのです。

当時はそれが当たり前だったので疑問に思うことはありませんでした。私が今の会社を辞めたいと思ったきっかけにはいくつか理由があります。まず1つ目は「会社の方針に不満を持っていた」ことにあります。

社歴が長くなってくるとかなり長い期間その会社で勤めている分、昔の会社の様子がわかります。上層部や経営陣が入れ替わるなど会社の方針が変わってしまい、入社当時とは明らかに違う会社に対して働きたくないと感じてしまったのです。妥協して入社した会社ではあったものの、会社の考え方など感銘を受けた部分もあったので続けられていたものの、状況が変われば見えてくる世界も違いますよね。

2つ目は年齢による体力的な限界です。20代・30代の頃はどんな仕事でも問題なくこなしていましたが、40代を過ぎた頃から体力的な負担を感じるようになりました。大手メーカーといっても本社で事務作業を行うような仕事ではなく、地方にある支社に足を運んだりメンテナンスなど地方への出張の機会も多く、営業職のようなものです。

ときには転勤で私だけ地方に住んでいた時期もあります。家族と一緒に転勤したいとは思っていたものの、子どもの進学を考えると正直転勤先についてきてくれとはいえませんでした。

40代の終わりになると子どもを大学に進学させるなど、子どもの自立も見えてくるようになります。すると、若い頃のように子育てのお金がかからなくなり、「こんなに仕事を頑張る必要がないのでは」と考えるようになりました。

今まで頑張ってきた分、仕事に対してのモチベーションが落ちてしまい、退職を考えるようになりました。燃え尽き症候群とでもいえるのか、ちょっと疲れてしまったのだと思います。

そんな私ですが、正直50代を手前にした転職活動では思うような職種や条件が見つかりませんでした。そこで会社の早期退職制度を使い、少し多めの退職金を受け取り地方に移住することにしました。

そこで自分のやりたいことを模索しつつ妻と一緒に生活したいと考え、固定費を下げるために地方に古い一軒家を購入しのんびりと生活することにしたのです。今はその計画を立てたり準備をしています。

今まで妻とものんびりと話す機会がなかったので今回この選択をしたことによって、第二の人生がスタートできるのではないかと思っています。コーチングを受けて良かったと思えるのは、焦らず自分の人生を選択できたことです。もしどうしても転職したいと焦っていたら移住の選択肢も出てこなかったかもしれません。

50代男性といえども人生は長いからこそ、じっくりと時間をかけて考えるべきなのだと思います。キャリアデザインの選択肢は人それぞれありますし、仕事を続けていくもよし、私のように50代で早期退職制度を利用して移住するのもありだと思います。自分のキャリアデザインに迷ったとき、気軽に相談できる人がいるだけでも人生が変わっていくのではないかなと思います。私は今の人生に後悔は一切ありません。