外資系キャリアデザインを、ずっと手放さなかった女性の話

私は現在、外資系の商社で働いています。

主に企画を担当し、いくつかのプロジェクトを管轄しています。

他の社員と違うのは、私が二児の母であるということです。

子育てをしながらフルタイムで働いているという、かなり変わった存在です。

フルタイムで働いているということで、収入にはかなりの余裕があります。

しかしこのキャリアデザインを実現するには、相当な苦労がありました。

私は不器用な方なので、余計に時間もかかりました。

今回はそのことを、体験談という形式でお話しします。

就職してからのこと

私は新卒で、外資系の商社へ入社しました。

職種は総合職で、一応はキャリア系です。

特に「上を目指したい」というつもりはなかったのですが、やはり高い給与が魅力的でした。

ただ、外資系商社は、完全なる実力主義です。

私が就職した商社も例外ではありません。

私はとにかく生き残れるように頑張ろうと、なんとなく思っているのでした。

とはいえ、入社1年目から結果を求められるわけではありません。

とりあえず仕事を覚えて、1日でも早く駒としてカウントできるようになれ、というスタンスです。

この辺りも外資系としては、きわめて一般的なものでしょう。

しかし3年目から、いよいよ結果が求められるようになります。

総合職なので、企画や事務作業、渉外など、さまざまな業務がありました。

うちひとつかふたつで何かを残せないと、露骨に出世コースから外されます。

私は幸い、企画で成果を残せていました。

そして事務作業でも、大きなミスはなかったはずです。

渉外や法人対応などでは、かなり失敗しています。

数人の同期がふるいに掛けられて姿を消す中で、私はなんとか生き残ります。

逆にここまで来れば、ある程度は安泰とも言えます。

結婚と子育て

仕事が落ち着いたころ、私は結婚することになりました。

結婚しても、私はずっと働いていたし、できればずっと働きたいと考えていました。

しかし子供を授かったことにより、さすがに育休を取得することとなりました。

しかも双子です。

私も女性なので、外資系としてのキャリアデザインはいったんどうでもよくな

り、子育てに集中したいと思うようになります。

育休は限度いっぱい取得して、子育てに集中しました。

コーチングによる職場復帰

子供ふたりが保育園に入ったころ、私は職場へ復帰します。

しかしフルタイムで働くほどの余裕は、さすがにありません。

時短勤務や週3勤など、いろいろと配慮してもらいました。

しかし育休を取っている間に、状況はずいぶんと変わってしまいました。

「育休を取った人間には、重要な仕事は回ってこない」ということを知ります。

私に与えられる仕事は単純な事務仕事ばかり。

そして給料も、もちろんのことながら低くおさえられました。

しかしフルタイムで働いているのであれば、その限りではありません。

ふたたび戦力としてカウントされるようになり、得意とする企画の仕事にも関われます。

それが会社の方針でした。

二人の子供が小学校に上がったころ、私はふたたびフルタイムとして働き始めました。

しかし、やはり重要な仕事は回ってきません。

「会社の方針から考えれば、こんなはずはないのに……」と思いました。

原因はどうやら、私が所属している部門の副課長にあったようです。

彼が私をできるだけ起用しないように、根回ししていたとのこと。

これを知ったとき、私は怒り心頭でした。

このままでは、私の外資系キャリアデザインが頓挫してしまいます。

私はこの状況を打破するため、キャリアコーチによるコーチングを受けました。

コーチは、早稲田を卒業してMBA取得し、今も一流商社で働く女性です。

私は彼女にこの状況を相談して、アドバイスしてもらいました。

結論としては、「こちらも根回しするしかない」というもの。

要するに「社内政治に取り組む」、ということです。

確かに外資系商社において、社内政治は重要です。

いかに周囲の意見をこちらに有利なものへコントロールするかで、状況はいくらでも変化します。

しかし私は社内政治をするセンスがなく、このような状況になっていたというわけです。

もし私が社内政治に取り組んでいれば、育休を取る前、課長や部長へ根回しできていたはず。

私は「課長」と「部長」をターゲットとして、根回しするようにしました。

課長と部長からの評価を高め、(言い方は悪いですが)副課長の評価は落とすという動きです。

人から見れば、「そこまでして上にい上がりたいのか」と思うかもしれません。

しかし、これが外資系商社で働く、ということなのです。

私はコーチのアドバイスどおりに根回しし、副課長からの冷遇は解消。

ふたたび企画へと関われるようになりました。

まとめ

というように、泥臭い社内政治を経て、今の外資系キャリアデザインが実現できています。

もしコーチングを受けずに諦めていたら、私は外資系キャリアを放棄していたかもしれません。

本当にコーチングは重要な存在だと思います。

あれだけ知見が豊富な人と出会える機会は、他にはそうそうありません。

もし何か悩むことがあれば、コーチングをおすすめしたいと感じています。