転職でキャリアデザインに成功した、ある男性の体験談

私の新卒での就活は、はっきり言って大失敗でした。

目指していた大手企業への入社は叶わず、渋々地元の中小企業へ入社しました。

入社した先は、従業員1,000人規模のシステム開発会社。

私にとってこの会社で働いていた頃のことは、非常に辛い思い出として残っています。

この会社は、いわゆる典型的なブラック企業でした。

まず、残業代が一切出ませんでした。

もし残業代を付けようとするものなら、「みんな我慢して頑張っているんだから」と言って、咎められます。

さらに休日出勤は当たり前。

土日休みと語っているにもかかわらず、土日にも取引先からの問い合わせを受けているのです。

というように、そもそも企業のサービス体制と労働条件が、完全に矛盾していました。

終電で帰るということも、決して珍しくありません。

しかもその次の日は、朝8時にはオフィスに到着しなければいけない、なんてこともありました。

「IT土方」という言葉がありますが、私はまさにIT土方の典型例でした。

男性のキャリアデザインとしては、完全な失敗例です。

一度目の転職

私は止むに止まれず、勤続1年目にして転職することを決意。

でなければ、体を壊してしまいかねないと判断しました。

会社からは、ともすれば脅迫とも取られかねない引き止めを受けました。

それでもなんとか退職することに成功。

私は、法人向けソフトウェアを取り扱う中小企業へと入社。

転職先は、前社では考えられないほど、恵まれた環境でした。

残業代はきちんと支払われるし、休日も確保できていました。

さらに有給休暇の取得も容易で、前の職場とは、待遇面で雲泥の差があったのです。

ある日、私はシステムエンジニアとして働きつつも、営業にも関わることとになりました。

ソフトウェア関連の質疑応答へ的確に返答するため、営業担当者とともに取引先へ出かけることが増えました。

私自身、直接的に営業へ関わることはしません。

あくまでもソフトウェアを売り込むのは、営業担当者の仕事です。

私はその場所にいて、必要な質問事項にのみ答えるようにしていました。

しかし次第に、私だけが営業の場へ向かわされるようになりました。

つまりシステムエンジニアであるにもかかわらず、営業の仕事もするようになったのです。

多くの人は、この采配に対して不満を感じることでしょう。

私も例外ではありませんでした。

そもそもソフトウェアの知識があっても、営業スキルは有していません。

しかしながら、営業成績は決して悪くありませんでした。

何せ、もともとの営業担当者たちが、(言葉は悪いのですが)大したスキルを持っていなかったのです。

それであれば、知識のあるシステムエンジニアの方が、営業力を持っていたと言えます。

もちろん一般的な営業としては平均を下回っていたことでしょう。

しかし周囲の挙げてくる数値が低いからこそ、私の営業成績は、相対的に高く移りました。

この頃私は、「営業のできるシステムエンジニアは、業界から高い需要がある」ということに気づきます。

何せ将来的には、システムエンジニアは35万人不足すると言われています。

その背景がある中で、営業もできるシステムエンジニアは、当然ながら貴重な存在なのです。

私はシステムエンジニアとして働きつつ、営業スキル向上を始めました。

すると、営業成績は少しずつ成長しました。

気づいたときには、一端の営業マンとして、まったく恥ずかしくない数字にまで到達していたのです。

私は、このキャリアを活かして、「転職によるキャリアデザイン」を、より向上させようと考えました。

男性女性問わず、営業でもエンジニアでも活躍できる人材は、先ほども触れたように希少性が高いと考えられています。

つまり転職することで、より高い待遇を得られると考えたわけです。

コーチングと現在まで

私は「男性の、転職によるキャリアデザイン」に明るい「コーチ」をつけることにしました。

いわゆる「コーチング」というものです。

コーチングでは、

  • 「いかにしてシステムエンジニアと営業としての能力を高めるか」
  • 「どちらを優先的に向上させるか」
  • 「どのような会社へ転職するか」

という点について、アドバイスをしてもらいました。

営業に傾倒して、システムエンジニアとして技量を磨けていなかった私は、いったんこちらのスキルアップへ集中。

その後、営業としての能力を、本格的に高めていくという手順を取りました。

最終的に転職先としては、人手不足で困っていたIT企業を選びました。

ただでさえ人材が足りない企業にとって、営業でもシステムエンジニアとしても働ける人材は貴重です。

私は同世代と比較すると、かなり恵まれた待遇を得られました。

現在はシステムエンジニアとしてはユニットリーダー、営業としては一人のプレイヤーとして、充実した日々を過ごしています。

ここまで来られたのは、やはりコーチングを受けたのが大きかったと思います。

おそらくコーチングを受けていなければ、営業ばかりに傾倒し、効率的なスキルアップは実現できなかったでしょう。

男性が転職でキャリアデザインをするのであれば、コーチングは必須とさえ言えるかもしれません。