30歳契約社員でどん底だった私が転職を通じて得た新境地
三流大学で経済学部を専攻した中で経理関係の仕事をしたいと思っていた僕。当時、大学で学んできた経済の知識を活かすべく就職活動をしたものの、大不況であったことと併せて大企業が有名大学の卒業見込み者を大量採用する傾向があったため、なかなか就職ができませんでした。結局、在学中には就職先を見つけることができませんでした。このときに「私は男性なのに就職できない、社会から認められないダメ人間だ。」と繰り返し考える思考があり、どん底の状況でした。

そんな中で卒業してから1年後に経理関係の仕事で内定をいただくことができました。しかし、雇用形態は契約社員でありました。面接の中で「あなたの頑張りが会社の中で認められたら正社員登用してあげる。」と言っていただいたことと自身の経験が活かすことができ、自身の貯金が尽き果てそうなことも考えて、キャリアデザイン形成も考えたうえで入社することを決意しました。
そして新しい会社での勤務を開始しました。入社当初には経理の役割や教育も充実していたこともあって、学生時代の経理のことを活かして正社員を目指したい志が強かったことを今でも覚えています。しかし、実際に半年くらい働き始めると「あなたは契約社員だからまだ経理の仕事は任せられない。しばらくはExcelでの入力作業をお願いしたい。空き時間があるときには来客対応でお茶の準備などもしてほしい。」と先輩社員から告げられました。このことを聞かされた私は在学中に就職できなかったことが頭をよぎり、来る日も来る日もExcel入力と雑用の毎日で仕事に対してやりがいを感じられなかった日が刻々と過ぎ、30歳まで働き続けていました。入社当時考えていたキャリアデザインとは大きくかけ離れてしまっていたのです。
30歳になったとき、派遣法の改正に伴い契約社員の有期雇用契約が定められ、雇用期間が最大5年間と定められました。僕自身は今の会社で契約社員として7年間勤めてきたこともあり、今の仕事の内容だと正社員として認められる空気感ではなく、転職する面でも不利になるだろうと考えており、なかなか就職できなかった大学時代のどん底になった経験をまた繰り返すのかと脳裏をよぎってしまいました。そんなときにある知人からコーチングを勧められ、在籍期間があまりないこともあり、コーチングを受けようと決意しました。
コーチングを始めて、コーチから「あなたはこれまでどんな経験をされてきたか?」と聞かれ、今までの経緯をすべて伝えました。そんな中で「他の社員に関して性格分析することも仕事中に読み取るようにしていました。」と伝えたところ、コーチから「あなたは経理よりも人事の方が活かせるかもしれない。男性で他人の性格を分析しようとする人は僕の周りにあまりいないんだよ。今の職場で時間がないのであれば、今のうちから転職活動してみてはどうか。男性だから可能性あるし、新たなキャリアデザインが築けるよ。」とアドバイスをいただきました。
コーチとののセッションで1年後のことを考えて、在籍中に転職活動に踏み入ることを決断しました。転職活動のために転職サイトと転職エージェントを利用することから始めて見ました。しかし、これまで人事部として働いたことがなかった僕は転職エージェントからは「あなたのキャリアで紹介できる会社はない。実際、人事部で募集している会社もほとんどないから、競争が激しい。それに男性より女性を採用したい。」と拒否されてしまいました。このときに「また社会から見放されたか。」と考えていたところ、個人応募している会社から面接案内の連絡を受けました。最初は少し戸惑いがあったものの、コーチの方からも「面接応援してますよ。自信を持って!」と常に励ましていただけたこともあって、面接を受けました。面接を受けた中で先方とのコミュニケーションを取りやすい雰囲気と感じ、「この会社ならこれからも頑張れる。」と振り返りました。そして先方から正社員としての内定通知を受け取り、正直嬉しさが体中に伝わったことは今でも忘れられない思い出です。内定を承諾し、契約社員として頑張ってきた会社をとうとう退職することにしました。このとき、新たなキャリアデザインも考え始めました。
退職するときには「あなたは大変な職場環境の中でよく頑張ってくれた。」と先輩から伝えられたときには、嬉しさと同時に少し寂しさを感じました。
新しい会社では気持ちも切り替えて人事部として勤務を開始しました。最初は人事のこともほとんどわかっていなかったため、戸惑いを感じながら仕事を始め、試用期間内での頑張りが認められて本採用をいただくことができました。勤務して1年後くらいに新入社員を採用するにあたり予算設定を行う会議に出席させていただきました。会議の中では経理的な知識を活かして予算に関する考えを提案し、採用したい部署とも協議することまで発展しました。最初の会社で経験していた経理の業務と比べると主体的に働くことができ、意見も尊重される雰囲気となりました。
新しい会社で人事部として勤務できており、今も新入社員採用に向けて計画作成する機会があり、転職をあらたなキャリアデザインを築くことと同時に新境地が見つけられたと振り返っております。

今の新しい仕事に就くことができたのも、コーチングを受けたことが大きかったと振り返っています。コーチの方から僕自身の考えを引き出してもらい、応援してもらい、棚卸して整理できたことで新たなキャリアデザインができ、転職をしたことで人生が大きく変わったことは間違いありません。