中間管理職としてキャリアデザインを結実させた男性のエピソード
私は大学を卒業後、大手保険会社へ入社しました。
配属は営業部です。
私は典型的なキャリア志向で、基本的に上を目指すことばかり考えていました。
保険会社を選んだのも、それが理由です。
父が保険会社で働いていたので、私はある程度、保険の知識を持っていました。
それをアドバンテージとすれば、早期に昇進できると考えていました。
営業は、成果を上げれば上げるほど、よい待遇が得られます。
とはいえ、それはあくまでも成果が上げられ続けた場合の話です。
安定して稼ぎ続けるには、やはり上へ上がる必要があります。
また、できれば自社商品の開発に関われるような仕事ができたらよいとも考えていました。
幸いにして私は、営業にて最初から成果を残せていました。
1年目で、すでに配属営業所で1,2位を争うような状態です。
2年目も好調を維持。
保険会社は実力主義なので、私はかなりよい待遇を得られました。
3年目には主任格へ昇進。
かなりのスピードで、上へ進んで行きました。
主任は、いちおう中間管理職として分類されています。
すでに男性のキャリアデザインとしては、かなり理想的でした。
コーチングとの出会い
しかし、ここで問題が訪れます。
主任格から上へ上がることができないのです。
なぜなら、係長以上になると、営業の現場へ出る頻度が下がるから。
会社は、私に営業としての能力を発揮して欲しいと考えています。
だから、私をオフィスには置いておきたくなかったのです。
上司には、「早くマネジメントしたい(中間管理職へ上がりたい)」と伝えていました。しかし、上司と世間の状況が、それを認めません。
実は当時、リーマンショックの真っ只中でした。
会社はわかりやすく言えば、「とにかく目先の数字が欲しい」という状態でした。
だから数字を取ってくる私は、上に置くべきではなかったのです。
私は、
- 私が営業するよりも、上に置いた方がよいと、会社に理解させる
- 中間管理職として、営業部員を教育できるようになる
- しかも彼らが結果を出す
ということが必要だという結論に至りました。
しかし、私は、「部下を教育する」ということを、ほとんど考えていませんでした。
とにかく自分が成果を上げればよいと思っていたのです。
「これは考え直す必要がある」と判断し、読書やセミナー受講を始めました。
しかし、そんなことで成果が出るのであれば苦労はしません。
どれだけよい本を読んでも、高尚なセミナーに出ても、大した変化はありませんでした。
私は次なる手段として、「コーチング」を受けることにしました。
コーチは同じく営業畑出身、中間管理職を経て取締役まで出社した人物です。
男性のキャリアデザインとしては、たいへん理想的。
そして私が望んでいるキャリアデザインを、そのまま体現したようなコーチでした。
私は彼のコーチングを受けて、「中間管理職としてあるべき姿」について学びます。
コーチングと昇進
私はコーチングで、今まで自分に足りていなかったものを、少しずつ着実に獲得していきます。
- リーダーシップの取り方
- 同僚との向き合い方
- 部下への教育法
- 研修者としての心構え、技術
- 上司へのアピール方法
など、具体的なスキルや知識について、知るようになります。
とはいえ、成果が出るまで、時間はかかりました。
リーマンショックの影響というのは、そう簡単に覆せるものではありません。
しかしコーチングを受けて2年後、ようやく係長へ昇進できました。
これは「私が教育することで、全体の営業成績は伸びる」ということを立証したことによります。
その3年後、副課長格へ昇進。
すでに年収は800万円を超えており、キャリアデザインはほぼほぼ成功していました。
しかし課長、部長になると、いくらなんでも無理が出てきます。
副課長までは、実力と努力でどうにかなりました。
しかし課長以上になると、年齢という壁が出てきます。
さすがにこればかりはお手上げで、男性の中間管理職としてのデザインは、いったんの完成を迎えます。
あとは年功序列で上に上がる瞬間を待つばかりです。
さらなるキャリアアップ
しかし私にとって、大きな変化がありました。
顧客の一人が、新しい保険事業を始めると言ってきたのです。
そして私に対して、「営業部長として来てくれないか」と言ってくれました。
私は営業部長という肩書きと、「大きな仕事をできる」という魅力に引きつけられます。
おそらく顧客のトークがうまかった部分もありますが、あまり悩むことなく誘いに応じました。
そして現在も、ベンチャー企業の営業部長として働いています。
少し思っていたキャリアデザインからは逸脱しているような感じはありますが、決して不満はありません。
早くに中間管理職として最高位の部長というポジションが得られました。
ここまでこれたのは、やはり「コーチング」が大きかったと思います。
そしてついたコーチが、あまりにも優秀でした。
営業経験は豊富だし、コーチとしても一級品。
彼に対しては、感謝の気持ちしかありません。
本当にコーチングは、私の人生を変えてくれたと感じています。