脱サラを決意した女性。コーチングを受け大幅な転向

2020年9月9日

私は大学卒業後、大手百貨店に入社しました。私が担当していた業種は販売促進でした。基本的にはイベントや催し物の企画や運営を行なっており、私の性格的にも取り組みやすい仕事でした。しかし、入社してから数年後、30代になった私は自分の将来に不安を抱き始めました。給料はそれなりにはもらっていましたが、今の生活をあと30年ほど続けることに違和感を覚え始めたのです。私はその頃から徐々に、漠然とではありますが「新しいことをしたい」と思うようになっていました。

そういった考えが浮かんできた頃に、たまたま学生時代の知り合いと久しぶりに会って話す機会がありました。何でも彼女は20代の後半には脱サラをしていたのだとか。その上、彼女は脱サラした直後に起業し、一企業の社長となっていたのです。年収もOL時代には想像もできないほど高いようで、海外旅行に年に何回も行っているようでした。彼女は学生時代から積極的な子だったのですが、まさかこんなにも成功しているとは予想だにしませんでした。

ここまで華々しい生活を見せつけられると、私も脱サラをしてみようかと考えるようになりました。とはいえ、私は彼女のように海外旅行に頻繁に行ったりするような、金銭的余裕を求めているわけではありません。その代わり、自分だけの時間をゆっくりと過ごすことができるような、時間的な余裕が欲しいと思っていました。私は就職のために上京し、都会の荒波に揉まれる毎日を送ってきました。そのため、もう少しゆっくりとした時間の使い方がしたいと思うようになっていたのです。

そうと決まれば脱サラ以外の選択肢はありません。とはいえ、私も一社会人ですから、生活費を賄う必要があります。そのため、私はコーチングを受けることにしました。実際にコーチングを受けるまで、ここまでキャリアデザインの選択肢があるとは思いませんでした。加えて、30代でのキャリアデザインの変更は、遅いようで遅くありません。担当の方は快く私の考えを聞いてくださり、その上で私の将来に向けた指針を提示してくれました。

コーチングを受けたことで改めて、脱サラにも色々な形があることを再認識しました。私の知り合いのように、給料面で不満があって脱サラし、起業して今まで以上の収入を得ようとする人。私のように、時間的な余裕が欲しくて脱サラする人。一概に脱サラといっても、様々な考え方があります。何よりも「私のような考えで脱サラする人は少なくない」ということが知ることができたのは大きいです。自己肯定感が高まるいい機会になりました。

コーチングを踏まえた上で、私は田舎で生活を送ることに憧れ始めました。先にも触れた通り、私は地方出身です。やはり私はのどかな環境下で育ってきたということもあり、そういった場所での生活が恋しくなったのだと思います。それに、老後は田舎で静かに暮らしたと前々から考えていましたし、それが少し早く始まるだけのことだと思えば、大したことではありません。

ただし、私はまだ30代で、自分の同世代はバリバリ働いています。ゆっくりとした時間を過ごしたいとはいえ、仕事をする気概があった私は、農業を始めることにしました。つい先日まで東京の百貨店で働いていた人間が農業を始めるんです。我ながら思い切りのある決断だと思います。ですが、私が農業を始めようと思ったのも、何となくの思い付きではありません。それに、農業を始めるにあたって既にコネのようなものがありました。

というのも、私の実家が農家なのです。幼い頃の私は、「絶対に家を継がない!」と言い張っていました。それに就活の時期は自分の家を継ぐ可能性を断つために東京での仕事を探していた部分もありました。そんな私が農業を始めたいという旨を両親に伝えた時、たいへん驚いていたのを今でもハッキリと覚えています。ですが、私の両親は私の希望を快諾してくれました。これだけ自分勝手な生き方をしてる私を否定せず、いつまでも支えてくれる両親には感謝してもしきれません。

私は今、農業従事者の一人として充実した生活を送っています。職業上、以前の仕事より朝が早いことは多いです。それに屋外での作業がメインですから、夏には炎天下での作業を強いられます。ですが、今の仕事にはとてもやりがいを感じていますし、満員電車に揺られて憂鬱な思いをすることもありません。近所の方々との交流も多くなり、暖かい人ばかりです。仕事をするにあたって大変なことも多いですが、それも含めて今の仕事を始めてよかったと思っています。

私は東京のOLから地方の農業従事者となった、稀有な人間です。私が思うに、キャリアデザインを変更するにあたって、年齢や今の職業は関係ありません。問題は「自分がどうしたいのか、その上で今何ができるのか」ということです。それを踏まえて、私がこういった大胆な転身ができたのは、コーチングを受けたおかげでしょう。コーチングによって決定した私のキャリアデザインは我ながら上出来だと思っています。