副業を始めた男性のキャリアデザイン

2020年8月25日

私は外資系の企業に就職しました。学業に励んでいた頃から得意だった科目は英語で、自分の能力を活かすのであれば英語を扱う職業になることは学生の時から予想していました。就活の際も、就活が始まるまでに必要になる資格を取っていたので、難なく就活を終えることができました。入社から数年経った今でも学ぶことは多いですが、日々自分の成長を実感しつつ、やりがいを持って仕事に取り組むことができています。

ですが、実のところ私は元々転職する前提で今働いている企業に就職しました。というのも、私は将来的に大学の教員になることを目標としています。大学で担当したいと思っている科目はもちろん英語です。大学院に入って博士課程を修了し、そのままエスカレーター式に教員になるのも悪くないと思っていましたが、一旦教員以外の職種も経験しておきたいということもあり、今の企業に就職しました。また、大学院生としての生活にそこまで大きな魅力を感じなかったのも理由の一つです。

もちろん、転職する際に不安なことが多いです。自分のように大学の教員になりたいと思っている方々は大勢いますし、その多くが博士課程を修了していると思います。そういった人たちに混じって採用試験を受ける事になるわけですから、純粋な英語力以外の面で心配な部分があります。こういった不安は数年前から感じ始めていましたが、コーチングを受けたことがきっかけで緩和されることとなりました。

コーチングを受けるきっかけは会社の同僚の推奨によるものでした。自分の場合、大学の教員を目指す人間として少しイレギュラーなキャリアを積んでいたものですから、少々不安でした。ですが、いざコーチングを受けてみると、柔軟に対応してもらえましたし、何よりも自分の将来に対する不安が払拭されました。

コーチングの際、私は「副業」という今まで全く意識していなかった考えが湧き出てきました。副業と一概に言っても、何種類もの副業があります。私が思いついた副業とは、収入を優先的に考えているものではなく、私の将来に向けたスキルアップのためのものです。「自分のスキルアップに繋がる副業なんてあるのか」と半分は疑っていましたが、実際にありました。それが「英語の翻訳」のお仕事です。

そういうわけで、私は英語の翻訳の仕事を始める事になりました。言ってしまえば「フリーランスの翻訳家」ですね。仕事は基本的にクラウドワークスなどのサービスから受けることができます。これは僥倖だった話ですが、専門翻訳の場合一般的な翻訳よりも単価が高いのです。私は元々英語に関する資格を携えていたこともあって、副業にしては十分すぎるほどの収入を得られています。また、外資系の仕事を本業にしているため、より専門的な知識を必要とする仕事を請け負うこともできています。

私は翻訳の仕事を通して、本業とはまた違ったスキルが得られていることを実感しています。例えば、専門的な話を一般的な人に向けて翻訳する場合、難解な内容を噛み砕いて分かりやすく翻訳する必要があります。本業では互いに専門性の高い知識を備えている場合が多く、そういった技術が要されないので、これは副業によって習得しているスキルだと思います。それ以外でも普段の仕事ではあまり聞き覚えのない単語に遭遇することもあり、純粋な語彙力の向上にも繋がっていることを実感しています。

私は本業と副業をしばらくは平行して続けようと考えています。というのも、前述のような片方だけでは身につかない知識やスキルが多いのです。もちろん、基本的なものはどちらにおいても前提条件ではありますが、そこからさらに派生していくことを考えると、平行して仕事を続けるメリットは多いです。現に、外資系の仕事と翻訳の仕事との相乗効果のようなものを感じています。本業の方で、私の作成した資料が見やすくなったと上司から褒められることも増えてきました。

この本業と副業の同時平行で得られた知識やスキルは、確実に転職後も活かせると思っています。例えば外資系の仕事において得られた経験は、経済学部における留学生向けの授業などに応用することができるでしょう。また、翻訳の仕事で得られた経験は、英語を学ぶ日本人大学生向けの授業に応用することができると思います。これだけの経験があるのであれば、大学院上がりのライバルたちとも引けを取ることは無いでしょう。数年後の採用試験が楽しみでさえあります。

このように自分の可能性を開拓できたのはコーチングのおかげです。コーチングを受けることが無ければ、翻訳の仕事を副業にするなんて思いも付かなかったでしょうから。本業と副業がお互いにプラスの作用を生むように仕組むことができたのは本当に恵まれていたと思います。また、副業が本業にどう影響するにせよ、継続して仕事をこなせば収入が増えることは間違いありません。私の場合、副業で得られた収入は採用試験に向けて集中する期間のための貯蓄としています。万全の状態で転職の準備をすることができる機会を設けてくれたコーチングに本当に感謝しています。