大手企業で歯車の一部として働いていた私が、中小企業に転職して思うこと

2020年8月20日

22歳で大手企業に入社した僕。入った頃には「憧れの企業に入って頑張れる。数年後にはきっと満足できるキャリアデザインが描ける。」と期待に満ちていました。入社した頃は他の新卒社員と仲良くなる機会が多く、ともに研修で一緒に学んで協力しながら、なんとか研修を乗り切りました。そんな僕が大手企業から中小企業に転職して思ったことを書いていきます。

新卒で入社した僕は研修を終えてから製造部の作業員として配属されることとなりました。正直、これまで学んできたことは活かせない環境だと感じたものの、憧れの会社で働けるので、いずれはこれまでの経験を活かせる広報の仕事に就けるだろうと考え、働き続けることを決意しました。働き始めてから数か月間は製造部の中でも学ぶことが多く、製造工程のことを学べたのが大きい経験となり、「この会社のために頑張りたい」気持ちが高かったのです。しかし、次第に製造工程で出てくる部品の洗浄が日常業務になり始めました。部品洗浄がメインになると他のみんなからあまり相手にされなくなり、会社の仕事を単にこなすだけの存在となってしまいました。また、社内では出世する人がある程度選抜されていたこともあり、置き去りになってしまいました。次第に僕は頑張る気力も徐々に失い、製造部からも冷たい目で見られ始めました。その頃から僕自身は会社の中の「歯車の一部」としての価値しかないように悲観し始めてしまいました。このとき入社したときに考えていたキャリアデザインが頭を過り始めました。

歯車要員として働いて半年後くらいにある知人と話をしていると、知人からコーチングを勧められることとなりました。会社での働き方に悩んでいたため、コーチングを受けようと思いました。

コーチングを受ける中で、コーチから「どんなことに悩んでいる?」と聞かれ、「憧れの大手企業に入ったものの、歯車の一部になってしまっている。」と答えました。これまでのことをいろいろ話すとコーチから「中小企業の方が働きやすいのでは?中小企業なら主体的な働き方もしやすい。あなたはまだ若いし、やりたかった広報のこともやりやすいかもしれない。男性のあなたなら今の大手企業とは別のキャリアデザインを書き換えられるよ。」とフィードバックいただきました。当時悩んでいた私は転職活動をすることとなりました。そして中小企業の広告代理店から内定をいただくことができました。そして憧れだった大手企業を退職することを決断することに至りました。

入社したで働き始めると、最初は会社の規模などに馴染めず、前職の大手企業と比べても揃っていないものが多く、入社当初はとても辛い日々を過ごしていました。社員も少ないため、自由に休める環境でなく、彼女との付き合いがある僕にとってはなかなか自由な時間も作れませんでした。社内での人間関係もうまくいかなかったため、すぐに辞めようと考えていたときに再びコーチの方から連絡がありました。コーチから「うまくいってる?」と聞かれ「もう辞めたいです。」と答えてしまいました。するとコーチから「もっと自分からコミュニケーションをとって、あなたがやりたかった広報のことにチャレンジしてみたらどうか。中小企業では自発的に行動して成果を出したほうが頑張りやすいよ。男性だから頼られやすい。もっといいキャリアデザインも築けるはずだよ。」と言っていただいたことをきっかけに今の仕事にきちんと向き合って仕事をしてみることにしました。

まず、会社の人とコミュニケーションを取ることから始め、社員のことをしっかり知ることから始めて見ました。そのうち社員の方とも徐々に馴染めるようになり、ある社員の方から「うちの会社で広報のことしたいんだったら、地元の新聞業者と取引することから始めてみては?」と言っていただけました。そのアドバイスをもとに上長に新聞業者との取引について提案したところ、「君に任せてみよう。女性より男性の方が任せやすいと思ってたんだ。ただし報連相はしっかりするように。」と言われました。このとき、はじめて「歯車の一部」ではなく「会社の中で大事な役割を遂げられる立場」との考えに変わりました。

新聞業者との打ち合わせでわが社の広報について紹介すると「君一人でやってるのか?大変だな?中小企業だと広報を専属でやっている会社は少ないが、広報をしっかりしようとしている会社は信頼できる。以前は女性が担当者だったから少し心配だったが、君は誠実な男性だから任せられる。我々としても協力したい。」と言っていただけました。このことを聞いた僕は正直すごく嬉しかったことを今でもしっかり覚えています。また、上司からも「よくやった。これからは広報の仕事を任せよう。」と言っていただき、今では会社の中で重要な存在となりました。

当時付き合っていた彼女から「よく頑張っている。そんなあなたと結婚したい。」とも言っていただき、会社の活気もよくなってきたこともあって、これからの仕事ライフスタイルにも変化が起こりそうで楽しみになれるように変わりました。

大手企業で働いていたときには全く想像できなかったですが、今のようにやりたいことができるようになったのも、コーチングを2回対応していただいたことが大きかったように振り返っています。僕自身の気持ちや考えを適切に引き出していたただき、キャリアデザインを築けたことは感謝の言葉だけでは伝えられない思いです。

中小企業の広告代理店に転職したことで、僕の人生は自身に満ちたものとなっています。