女性がキャリアデザインを考えたら起業の道も見えてきた

私が起業について考え始めたのは、20代の後半に差し掛かった頃になります。当時、IT関係の小企業に中途採用されてから半年程度の時間が経過していたときでした。

もともといつかは起業したいと思っていたので、独立の仕方やノウハウなどの本を通し勉強はしていました。でもどのタイミングで起業するのかが時期について悩んでいたのです。私がどうして20代後半で起業の道を進むキャリアデザインを選択したのか?これには女性ならではの問題もあるのです。

もともとは新卒採用でメーカーの総合職として働いていました。でも、社長のパワハラの強い会社に嫌気がさし転職を考えたのは25歳のときです。もともと社長関係の仕事も任されることが多く、仕事をしているすぐ側に社長の席がありました。

いつも社長が中間管理職の上司に対して「お前は使えない!」など怒鳴っている声が聞こえる位置にデスクがあり、原因が営業さんにあるとしても「この会社大丈夫かな…」と不安に思いました。

実際に離職率も高く新卒で採用されても3年残る人は半分程度しかいません。しかも将来有望だと期待される社員は早々に退職していく姿を見て、いつか転職を考えないといけないと思い始めたのです。

そんなとき、副業を通して稼ぐことを知りました。例えば、データの入力作業やライター作業など、空き時間を使ってお金を稼ぐ方法があることを知り、強く興味を持ちました。同時に将来のためにPCスキルは身に付けておかなくては…と思い、ITやWEB関係のスクールに通い資格を取得しました。

25歳のとき、資格や学んだことを生かした仕事がしたいと思い転職することにしました。社長に「退職したいと思っているのですが…」と相談すると、何度も引き留めにあってしまい一度退職自体を断念しました。でも一度辞めたいと思った会社で続けることは難しく26歳になるまえに、もう一度退職の意思を伝え会社を辞めることにしました。

その後就職したのがIT関係の小企業です。ここは、家から通いやすい距離にあり自分の知識や技術を生かせる環境だと感じました。面接で社長にお会いしたときも、「やりたいことがあれば積極的に言ってくれればいいから」と言っていただき嬉しかったのを覚えています。ただ、この会社がとても特殊で、定時が過ぎても誰も帰らない、帰れない会社でした。

タイムカードを切ったあとにみんなでくっちゃべるのも仕事のような風潮で、もしくは飲みにいかないと機嫌が悪くなるような会社でした。仕事中も社員教育が行き届いておらず、あちこちで言っていることが違う、指示もちぐはぐなのが目立ちました。実際に入社してわかったのですが、20歳そこそこの社員ばかりで社会経験もない先輩の下で働くのはかなり大変でした。 

「あれ、コレ違うんじゃない?」と思って指摘しても聞き入れないし、指示していることが間違えているような環境…。会社の空気を変えていければいいな、少しでも役に立てればいいなと思ったものの、ここに長くいても状況は変わらないと思い退職する意思を伝えました。正直半年で会社を辞めるとは思っていなかったものの、会社の雰囲気とあっていなかったこともあり、選択は間違えていなかたっと思います。

会社を辞めるときに正直かなり揉めたこともあり、散々なことをいわれてしまいました。帰り道、悔しくて泣いた記憶が今でも残っています。当時、新しく転職しても同じことの繰り返しかもしれないと思いました。

20代後半の女性の転職は「すぐに結婚して子どもができるのでは?」と懸念されてしまうこともあり、面接で落とされてしまうことも多いのです。実際、その人によってもすぐに結婚するかどうかは違うと思いますが…。

この悔しい気持ちをバネに独立して起業し成功してやる!と思ったのです。死にものぐるいで勉強した結果、起業に成功し現在は少人数ながらも社員を持てるようになりました。同じIT系の起業を営んでいますが、今までの社会経験も役に立っていると思っています。

もっと早くにキャリアデザインを考えるきっかけがあれば、起業するまでにこんなに遠回りしなかったのかもしれません。女性として将来の設計をして計画を立てておけば、その道に進んでいくだけだったのかも…、と後悔することもあります。実際に私のまわりでもコーチングで相談し、自分の道を切り開いた人もいます。

でも、今自分の選択した道が私にとってベストだったのだと思います。もちろん、会社員として仕事をしていたら社会的な保証もあるし、安心できる面もあると思います。

ただ、20代後半の女性が転職するのはかなり難しいものです。キャリアデザインをしっかりと考えられる人であれば独立などの道を考えてみてもいいと思います。

私は自分のキャリアデザインについてコーチングで相談せずに起業にしてしまいましたが、自分の人生を考えるきっかけになったとも思っています。人生は限られた時間のみだからこそ、もっと自分のやりたいこと、考えを実現するために貪欲になるべきだと思いました。